前藤岡副市長死亡事故 被告の男に1年2月求刑 群馬・前橋地裁高崎支部初公判

 群馬県藤岡市の前副市長、高橋厚さん=当時(67)=を車ではねて死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた同市、会社員の被告の男(23)の初公判が20日、前橋地裁高崎支部(井筒径子裁判官)であり、男は起訴内容を認めた。検察側は「注意義務を怠り尊い命を奪っていて、結果は重大」として禁錮1年2月を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審した。

 検察側は冒頭陳述などで男は運転席が左側の車に乗っており、右側にある車に比べて右折時はより注意を払う必要があったと指摘。「前を見ていれば被害者を早期に発見することができた」と批判した。

 被告人質問で男は「大変申し訳なく、取り返しの付かないことをした。もし遺族からの許しがでたら直接謝罪したい」などと述べた。

 論告などによると、男は昨年7月19日、乗用車を運転中、同市内の市道丁字路を安全確認が不十分のまま時速約10~15キロで漫然と右折。路上の落下物を拾おうとしていた高橋さんをはねて転倒させ、車の底部に巻き込んで肺挫傷の傷害を負わせ、搬送先の病院で死亡させたとされる。

 判決は29日に言い渡される。

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