のとじま水族館、夏休み前に一部再開 県6月補正に生き物購入費

 石川県は今夏、能登半島地震で被災し、休館が続いているのとじま臨海公園水族館(七尾市)の一部施設を再開する。子どもを中心に来場が増える夏休み前を目指す。21日、県庁で会見した馳浩知事は、同水族館が能登を代表する観光施設だとし「被災地の子どものためにも、準備ができた施設から営業したい」と話した。

 同水族館では1月1日の地震でボイラーや循環装置などが故障、配管も損傷し水温や水質、水位を維持できなくなった。この影響で、熱帯魚やクラゲなど温暖な海域に生息する生き物はほぼ全滅。日本海側の施設で唯一飼育していたジンベエザメは地震の8日後にオスのハチベエが、その翌日にはメスのハクが死ぬなど90種約3400匹が犠牲になった。

  ●本格営業は年内見通し

 現在もイルカやアザラシなど64匹が県内外の水族館や動物園に避難している。本格的な営業再開は年内となる見通しで、県は館内に展示する生き物の購入や移送に必要な経費2500万円を6月補正予算案に盛り込んだ。

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