『Minecraft』をAIと一緒に遊べる。マイクロソフト「Copilot AI」近日登場

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長年ゲームをプレイしている人であれば、たとえ1人用ゲームであっても、近くに友達がいてアドバイスをくれたり、画面上で起こっていることに一緒に反応してくれる楽しい記憶はあることだろう。マイクロソフトは、近日中にChatGPT-4oを搭載したCopilotシステムが、そんな友人のいないMinecraftプレイヤーにも寄り添ってくれることを予告している。

同社はX(旧Twitter)に「AIコンパニオンCopilotとのリアルタイム会話」により、Minecraft体験がより楽しくなると述べている。

最初のデモは、声だけのCopilotがプレイヤーに剣の作り方を教え、インベントリ内にある棒と合成できる木材や石材を集める手順を説明。もう一つは、AIがプレイヤーの前方にいるゾンビを認識し、地下に避難したりブロックの塔を建てて脅威から逃れるよう、まるで人間のようなアドバイスをしている。

こうした基礎知識は、ゲーム内のチュートリアルやヘルプシステム、攻略ビデオでも事足りる。とはいえ、ゲームプレイ中に一時停止さえせず、その場で状況を把握し、自然な言語による会話を通じてプレイヤーに情報を提供している点で際立っている。

最も注目すべきは、2本目のビデオ終盤でCopilot AIがプレイヤーを「ふう、危なかった。よくシェルターを見つけたね」と励ます下りだ。ゲームの情報を得る上では全く不要な言葉だが、AIに人間味を感じさせ、関係性さえ構築できると思わせるものだ。

これらビデオでは、CopilotがMinecraftアプリ本体から直接データを読み取っているのか、プレイヤーと同じ目線で画面に現れたものに反応しているのか不明だ。Minecraftはマイクロソフト傘下にあり、前者の可能性も否定できない。

だが、この投稿はマイクロソフトがWindows 11の新機能「Recall」を発表したのと同じ日に行われた。Recallは「数秒ごとにアクティブな画面の画像を撮影」し、PC上で行った全てのことを「記憶」して思い出す機能だ。オンデバイスの生成AIを活用するため、生成AIを効率よく処理できるNPUを備えたCopilot+PC専用である。

マイクロソフトはXboxゲーム開発にAIツールを導入し、ストーリーやクエスト、会話まで生成可能とする方針だ。近い将来、ゲームの一部を作るのもAI、ゲームを共に遊ぶ友人もAI、という時代がやって来そうではある。

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