「正直、残留は厳しいと見ている」鎌田大地の去就に地元記者が見解。クラブSDは「代理人は100%残ると言われた。だが...」

ラツィオは鎌田大地が契約を延長し、来季もチームに残ることを期待している。だが、本人は新たな条件を望んでいるようだ。いずれにしても、早期決着とはいかないのだろうか。

周知のとおり、鎌田の現行契約は今季限りの1年だ。選手側が行使可能な延長オプションがついている。月末までに鎌田が延長を申し出るか注目されているところだ。直近で現地メディアは鎌田が年俸アップや複数年ではなく、1年の延長を要望したと報じていた。

『Il Messaggero』紙は5月21日、鎌田が年俸300万ユーロ(約4億7000万円)から350万ユーロ(約5億4000万円)+ボーナスへの増額を希望したと伝えている。そのため、延長オプションを期限までに行使せず、契約を結び直す考えだ。

だが問題は、クラブが税込み支払い額を抑えられる税優遇制度がなくなったこと。年俸を上げて鎌田と新契約を結べば、ラツィオの金銭的負担は大きくなる。そこで、鎌田は年俸同額を受け入れ、その代わりに延長期間を1年にすることを提案したという。

Il Messaggero紙は、アンジェロ・ファビアーニSDが「代理人からは100%残ると言われた。だが、土壇場で考えを変えるかどうかを知ることはできない。待とうじゃないか」と述べたと報道。「(イゴール・トゥドール監督の)信頼が9日後に崩れたら、新たな地震となるだろう」と伝えた。

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一方、『Radiosei』によると、マッテオ・ペトルッチ記者は鎌田が「現時点でチームにとって確実な存在」と評価。「選手と代理人から返答なく21日になったにもかかわらず、クラブはカマダ残留に楽観的だ」と報じている。

「金額に関しても期間に関しても新契約を見いださなければいけないというのが本当のところだが、簡単ではないだろう。MFは優先事項のひとつだ」

また、ジュリオ・カルドーネ記者は「カマダの件は非常に複雑な話だ」と伝えた。

「本人は喜んで残るつもりだが、500万ユーロ(約7億8000万円)のオファーを受けただけに、ラツィオが提示の350万ユーロよりもさらに望んでいる。一方、ラツィオは税優遇を生かせなくなっただけに金額を上げたくない。そこで日本人選手は同額で残るが1年だけにすることを提案した」

「つまり、交渉中ということだ。ファビアーニSDは100%残留を確信しているが、正直、私は厳しいと見ている。いずれにしても、何もないまま5月30日は過ぎると思う。それからまた契約のためのアポイントメントとなるだろう。それはラツィオが望んでいないことだがね」

監督交代を機に状況が好転し、今やチームに欠かせない存在となりつつある鎌田。指揮官の信頼も厚いが、来季もラツィオでプレーすることになるのか。交渉の進展が待たれる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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