オリックス期待の“由伸2世”斎藤響介が次回登板へ強い意欲「次こそは初勝利できるように頑張りたい」【オリ熱コラム2024】

“山本由伸2世”との呼び声も高いオリックスの高卒2年目右腕・斎藤響介が19日の楽天戦(京セラドーム大阪)で今季2度目の先発マウンドに立ち、5.2回を被安打4、奪三振4、無失点の好投を見せた。勝利投手の権利を持ったまま降板したが、最終回に平野佳寿がまさかの2失点。チームは延長でサヨナラ勝ちを収めたものの、斎藤のプロ初勝利はお預けとなってしまった。

降板後、「変化球を引っかけてしまうことが多かったというのは反省点ですが、フォアボールを出さずに投げられましたし、ランナーがいる場面でも、落ち着いて一つずつアウトを取ることが出来たのでよかったと思います」と振り返っていた斎藤。前回は3.2回での降板だっただけに、今回は手応えを感じていたようだ。

試合後には「初回ゼロで抑えて、そこから気持ち的にもリラックスして投げられたかなと思います。少しボール先行になった時もあったんですけど、そこで前回みたいに四球を出すことなく大きかったのかなと思います」とテンポ良く投げられた理由を自分なりに分析。フライアウトが多かったことには「カーブとスライダーが少しうまく扱えていなかったので、そこで真っすぐとフォーク、カットとかになったからだと思います」と説明した。

この日は自身最速タイとなる152キロのストレートで押していくイメージが強かったが「今日は真っすぐが良かったと思うので、それで通用したというのはうれしかったです。『6回も行く』と言われて、そこで途中交代ということだったので。5回以上投げ切ったことはうれしかったんですけど。気持ち良くというか、最後まで投げ切りたかった気持ちもありました」と素直な気持ちも口にした。
マウンド上では「打者に対してずっと全力という感じだったので、ペース配分は分からないんですけど。最後は気持ちで投げた感じがあります」という

昨年のプロ初登板から3試合連続で自責点0を継続。あとは初勝利をつかむのみだ。20日に登録を抹消されたが、今後は一軍に帯同しつつ、タイミングによってはファームでも登板しながら次回の先発に向けて、ストレート、スライダー、カーブにさらなる磨きをかけながら調整を続けていく。

「まだ緊張は結構するんですけど、少しずつ慣れてきたかなと。次こそは初勝利できるように頑張りたいと思います」

“由伸2世”がプロとしての大きな一歩を踏み出すのはもうすぐだ。

取材・文●どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。

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