秋田県立近代美術館がメタバースに登場 80作品を高精細な 3Dモデルで再現

秋田県教育庁は、秋田県立近代美術館をメタバース上で再現した「メタバース×キンビ」を公開している。自宅のパソコンからアクセスし、同館に収蔵されている美術品等を鑑賞できるサービスだ。

バーチャル上で美術品に触れられる

「メタバース×キンビ」では、秋田県立近代美術館にある80作品を高精細な 3Dモデルで再現。来場者は一人称視点でメタバース空間内を移動し、美術品に触れられるほど近づいて鑑賞可能だ。同館のウェブサイトから専用ソフトをダウンロードすれば、24時間いつでもバーチャル上で「入館」できる。

実際の美術館では、作品を保護するために規制線が引かれて少し離れて鑑賞しなければならない場合がある。ガラスケースに入っている場合は、光の反射が気になるかもしれない。こうした制限がないうえ、美術品を持ち上げたり、回したりできるのは、バーチャルならではの楽しみ方と言えるだろう。

前例がないに等しい取り組み

秋田県教育庁生涯学習課に取材した。コロナ禍では、近代美術館を含む県立博物館施設の来場者が大きく減少。これが、「メタバース×キンビ」立ち上げのきっかけになったようだ。

コロナ禍以降、民間や行政では、DX による業務改善や変革にチャレンジする事例があったが、美術館や博物館のメタバース化は前例がないに等しかったと同課担当者は話す。少子高齢化や人口減少などの現代的な課題を秋田県では抱えており、こうした取り組みに率先して挑戦すべきと考えたことが、美術館のバーチャル化実現につながった。

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