円安のいま、家計のためにできることは何ですか?井戸美枝さんがアドバイス

歴史的円安といわれるなか、家計にかかる負担や不安は、どう解消していけばいいのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんに、今日からできる防衛策を教えていただきます。円安対策になるだけでなく、将来の年金生活にも役立つスキルが身につきます!

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【50代Lさんからの質問】
円安のいま、家計のためにできることは何ですか。
井戸さんは、どんなことをしているのでしょうか。

【井戸さんのアドバイス】
基本に立ち返って、買い物の仕方を見直しましょう。
将来の年金生活にも、必ず役立ちます。

食費を徹底的に見直しました

家計にとって円安のいちばんの問題は、物価の上昇です。実際、急激に進んだ円安によって、ただでさえ高騰していた原油や食料品などの輸入価格がさらに上がり、店頭に並ぶ商品も軒並み値上がりしています。

こんなときにできることは、基本に立ち返って買い物の仕方を見直すこと。わが家も、今回の円安で食費を徹底的に見直しました。その方法を紹介しましょう。

まず、見直したのは買い物の回数です。

これまでは近所のスーパーの「ポイント5倍デー」「ポイント3倍デー」に毎回買い物していたのですが、行く回数を3分の2に減らしました。「安いからいいかな」とつい買ってしまう特売品やスイーツなどが減って、出費がダウン。買うものをガマンするのは大変ですが、そもそも店に行かなければガマンする必要がありません。

次に、値上がりが激しい調味料は、よく使うものだけしか買わないと決めました。

たとえば、コチュジャンなどはあると便利ですが、わが家ではふだん使いではないため、気がつくと賞味期限切れになって処分してしまっていました。思い切ってやめたことで、ムダが減り、冷蔵庫のなかもスッキリ!

野菜は、近所にある八百屋を最大限に活用しています。

店の人が目利きで、なかにはキズがついていたり汚れていたりするものもありますが、見場が悪いだけで、中身は新鮮でとてもおいしいんですね。1日で売り切るために、夕方にはバケツいっぱいの野菜やフルーツがさらに割安になるため、リュック持参で行って、入るだけ買ってきます。

そして、帰ったら、すぐに下処理。たとえば、ほうれん草はゆがいて、棒状にして冷凍して必要な分だけとりわけられるようにしておきます。玉ねぎとにんじんは刻んでセットにして冷凍しておくと、味噌汁やポタージュなどなんにでも使えて便利。調理の時短にもつながります。

そして、使い切ったら、またリュック持参で八百屋へ。リュックに入るだけしか買わないので、安くても買いすぎることがなくなりました。

ちなみに、わが家では、バターなども特売のときにまとめ買いして冷凍保存しています。
肉、魚、卵、豆腐などのたんぱく質は、次の買い物日までに使う日数分買ってきます。高齢になるとたんぱく質が大事なので、ちょっといいものを食べる分だけ、という感じです。

おやつも、高くなった市販品はなるべく買わないで、卵と豆乳でプリンを作ったり、さつまいもをゆがくなど、簡単に手作りするようになりました。

これらの方法で、食費は5000円以上のカットに!

物価高は家計にとって打撃ですが、円安のおかげで家計のスリム化に成功できました。しかも、バランスがとれた食材を薄味でいただくようになって、食生活が自然とヘルシーになったのもうれしい変化です。

円安に限らず、最近は天候不良などによる野菜の高騰、海温上昇や乱獲などによる魚の高騰など、食料品価格は上昇傾向にあります。

入ってくる収入が変わらない年金生活になると、物価の上昇は現役時代よりダメージが大!

今回を機に買い物の方法を見直して、老後に向けて生涯ずっと役立つスキルを身につけましょう。

プロフィール
井戸美枝
いど・みえ●ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、社会保険労務士、国民年金基金連合会理事。生活に身近な経済問題、年金・社会保障問題が専門。「難しいことでもわかりやすく」をモットーに、雑誌や新聞に連載を持つ。近著に『フリーランス大全』(エクスナレッジ)。『親の終活 夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!増補改訂版』(日経BP)など著書多数。
ホームページ:http://mie-ido.com
Twitter:@mieido


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