京都府南丹市の用水路に水車が登場 ぎしぎしと回る「村の宝」、里山に彩り

ぎしぎしと音を立てて回り、里山の風景に映える水車(南丹市八木町美里)

 農繁期を迎えた5月、京都府南丹市八木町の用水路に水車が設置された。農地改良前の1980年代までは周辺にも多くの水車があり、田畑に水を送る役割を果たしてきた。今は回転するだけだが、里山を彩る「村の宝」として守り伝えている。

 同町美里地区の府道沿いの用水路に付けられた水車は直径1.8メートル。12枚の羽が水の流れを受けてゆっくりと回る。

 例年5月に地区で水車を取り付けており、心待ちにしているサイクリング愛好家もいるという。年中設置していると傷みが出るため、稲刈りを終えた10月になると倉庫にしまう。

 設置した同地区の武井藤夫さん(66)は「昔は周りに水車が10基ぐらいはあった。村の誇りとして、守っていきたい」と話した。

© 株式会社京都新聞社