地域移行の現状や課題報告 山形で「部活動改革」会議

部活動の地域移行の現状や課題を共有した会議=山形市・県スポーツ会館

 中学校の休日の部活動を地域団体に委ねる「地域移行」を含む部活動改革に関し、県と市町村担当者の会議が22日、山形市の県スポーツ会館で開かれた。本年度は推進期間(2023~25年度)の2年目。地域移行の現状や、受け皿となる地域クラブ設立の事例、特有の課題、県の支援策などが報告された。

 県によると昨年度、県内の部活動の約3割で休日の地域移行が進んだ。一方で生徒数が少なく単独の移行が困難な場合の対応、クラブの指導者確保など、地域の実情に応じ、持続可能な運営に向けた取り組みが求められている。

 県教委は本年度新たに県内外の有識者3人をアドバイザーとして配置し、好事例の提供、地域ニーズの整理、助言を通じて後押しする。「学校部活動および新たな地域クラブ活動の在り方に関する方針(仮称)」を策定する。

 会議では事例として、保護者会がクラブの運営母体となり生徒の引率や練習試合の調整を担う尾花沢市や、より良い競技環境を求めて市外の陸上クラブと連携した東根市などの取り組みが報告された。一方で質疑では課題として「吹奏楽の楽器は学校の備品で、クラブ会場まで運ぶのは現実的ではない」「大会などの目標が異なる生徒が一緒に練習するのは理解を得られない部分もある」などの声が上がった。

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