中国非鉄金属大手のチャイナ・モリブデン、1~3月純利益6.5倍

中国非鉄金属大手のチャイナ・モリブデン、1~3月純利益6・5倍

洛陽欒川鉬業集団(チャイナ・モリブデン)が95%の権益を取得したキサンフ銅・コバルト鉱山。(資料写真、鄭州=新華社配信)

 【新華社北京5月23日】中国の非鉄金属大手、洛陽欒川鉬業集団(チャイナ・モリブデン)がこのほど発表した2024年第1四半期(1~3月)決算は、売上高が前年同期比4.2%増の461億2100万元(1元=約22円)、純利益が6.5倍の20億7200万元だった。非経常損益を除く純利益は31.8倍の20億9100万元、営業活動によるキャッシュフローは18.0%増の54億7800万元、自己資本利益率(ROE)は2.8ポイント上昇の3.5%となった。

 銅やコバルトなどの生産量の大幅な増加が業績の高成長につながった。生産量は、銅が2.2倍の14万7500トン、コバルトが4.9倍の2万5200トンと、そろって四半期の過去最高を記録した。モリブデンは3474トン、タングステンは1921トン、ニオブは2506トン、リン酸肥料は27万8800トンと、いずれも安定を維持するか、前年同期比で増加した。

 販売量は、銅が44.6倍の12万5500トン、コバルトが24.9倍の2万4300トンと大幅に伸びたほか、モリブデンが19.5%増の3408トン、タングステンが18.6%増の1773トン、ニオブが12.4%増の2507トンだった。

 リーンマネジメント(徹底して無駄を省いた最適化により、製品とサービスで最大限の顧客満足を実現する管理方式)により、全体的なコストはやや削減され、収益力が向上した。銅の売上総利益率は48.0%となり、23年通期から2.7ポイント上昇し、ニオブは38.0%で4.0ポイント上昇した。

 コンゴ民主共和国におけるテンケ・フングルーメ鉱山(TFM)銅・コバルト混合鉱山開発プロジェクトの建設は順調に進み、生産ライン3本は今年3月、いずれも稼働を開始した。生産能力は年間で、銅が45万トン、コバルトが3万7千トンになった。TFM銅・コバルト混合鉱山開発プロジェクトの稼働に伴い、同社の銅・コバルトの生産量・販売量は増加した。

 商品市況などに詳しい英調査会社のCRUは、世界の精銅需要が今年から28年にかけて年平均で2.3%増加し、世界における今年の不足分は、銅精鉱が19万4千トン、精銅が14万9千トンとの見通しを示した。

 こうした背景のもと、同社は新たな銅の生産拡大計画を打ち出し、TFM第3期、および同国におけるキサンフー鉱山(KFM)銅・コバルト混合鉱山開発プロジェクト第2期の開発を進めるとした。28年に年間80万~100万トンの銅生産を目指すという。

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