ウミガメも上陸する美しい海岸を守りたい…ふるさとを思う子どもたちの活動が実り環境大臣賞

興味津々の様子でウミガメの甲羅に触れてみる脇本小学校の子どもたち=阿久根市の同校

 鹿児島県阿久根市の脇本小学校は、本年度の野生生物保護功労者表彰で環境大臣賞を受賞した。学校近くの脇本海岸での自然学習や環境保護の活動が高く評価された。17日に今年最初の学習があり、児童と講師を務める地元団体のメンバーらが自然保護への意欲を新たにした。

 同校は地元の自然を守る気持ちを育てようと、NPO法人脇本海岸ウミガメ・シロチドリ会に協力を依頼。毎年、3年生が同会の指導を受けて海岸で繁殖するウミガメやシロチドリといった動植物の生態を学んだり、砂浜に漂着したごみの種類を調べたりしている。

 17日は同会の大川内良一理事長(73)ら3人が、4月に同海岸で採取されたウミガメの甲羅を持参し、産卵について解説。「夜、海岸に明かりがあると、産卵に来た親ガメが上陸できず、ふ化した子ガメも進行方向を誤り、海に戻れなくなる」と述べた。大川内理事長は「脇本海岸は産卵に適した貴重な場所。協力して守っていこう」と語りかけた。

 子どもたちは甲羅に触れると「固い」「思ったよりでこぼこしている」などと興味津々の様子で観察していた。吉田碧君は「カメは花火などのごみや明かりを嫌うと知った。みんなで一緒に海岸をきれいにしたい」と話した。

環境大臣の表彰状を囲み、記念撮影する脇本小学校児童とNPO法人脇本海岸ウミガメ・シロチドリ会のメンバーら=阿久根市の同校

© 株式会社南日本新聞社