【日本ダービー】父が見たダービーの景色をコスモキュランダとともに目指す!

【動画】コスモキュランダの飛躍|https://youtu.be/JGdhD6jElxE

5月12日(日)、テレビ東京で「栄光へ駆ける 日本ダービー&オークス2024」が放送された。

2021年に生まれた3歳馬7906頭の頂点であり、競馬界最高の栄誉である日本ダービーとオークス。

この2つのタイトルを手にするために今年も人馬ともに熱い戦いを繰り広げる。その熾烈な戦いを勝ち抜いて夢の舞台へエントリーしてきた各馬に秘められたエピソードや関係者たちの知られざる想いに迫った。

弥生賞を制し、皐月賞でも2着に食い込んだコスモキュランダに注目。新進気鋭な調教師が挑む初の大舞台への想い、そして父からのメッセージとは?

調教師に転身して6年目を迎えた加藤士津八には憧れとする人物がいた。

父であり、現役調教師の加藤和宏だ。1985年のダービーをシリウスシンボリに騎乗して勝利してダービージョッキーとなった父の下へ、加藤士津八は毎日のようにやってくる。

ダービージョッキーとなった父・和宏は来年で定年を迎える。

現役当時トップ騎手だったためか、今もファンからの差し入れが多く集まり、最近ではウマ娘に登場するシリウスシンボリのイラストを送ってくるファンもいるという。

そんな和宏はシリウスシンボリでのダービーをこう回想した。

「シリウスシンボリのダービーは生まれてきたばかりの息子へ捧げる勝利だった。『生まれてきてくれてありがとう』という気持ちでシリウスシンボリと一緒に祝いたかった」

この話を子供のころから聞いていた加藤士津八にとって、ダービーは自然と特別なレースになり、2003年には騎手デビュー。

だが、9年間で20勝にとどまり2011年に現役を引退。父・和宏の厩舎で調教助手として働きながら、調教師のノウハウを学んだ際、あることに気が付いたという。

「僕は騎手出身なので、馬の脚元やカイバは厩務員さんの方がわかっている。意見や話を聞きながら助手時代もやっていた。調教師になってからはみんなの得意分野を引きだして馬にとっていい状態に持っていきたい」

この経験が調教師となった今につながっているのだろう。皐月賞に挑んだコスモキュランダは7番人気ながら2着に健闘。

ダービーは有力馬の1頭として迎えることになった。

父・和宏は「僕が見た光景を見てもらいたい。勝ったら抱きかかえる。ハグすることを夢見て応援している」と息子へエールを送り、息子である士津八はこう語る。

「今年はチャンスがあるので、勝てるように調子のいい感じに持っていけたら」

父・和宏がダービージョッキーになってから39年。39歳となった加藤士津八はコスモキュランダでダービーを制し、ダービートレーナーになることはできるのだろうか。

■文/福嶌 弘

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