「夢ささら」大田原で田植え開始 高品質な日本酒醸造へ期待

「夢ささら」の田植え作業に汗を流す高瀬さん一家

 【大田原】本県オリジナルの酒造好適米「夢ささら」の田植えが23日、佐久山の農業高瀬隆至(たかせたかゆき)さん(58)方で始まった。

 夢ささらは吟醸・大吟醸酒などの高品質な日本酒の醸造に適した品種。県農業試験場で2005年、代表的な酒米である「山田錦」を母、病気に強い「T酒25」を父として人工交配が行われ、18年に一般栽培が始まった。JAなすのによると、管内では8戸の農家が約30ヘクタールの規模で栽培している。

 この日は高瀬さんと妻直子(なおこ)さん(58)、三男司(つかさ)さん(29)の3人で田植え作業に汗を流した。今月初めに種をまいて20センチほどに成長した苗を、田植え機で約180アールの範囲に次々と植えていった。収穫は10月初旬を予定しているという。

 ことし1月、同JA酒造好適米研究会の会長に就任した高瀬さんは「この先5年、10年と蔵元から求められるような良い酒米を作っていきたい」と力を込めた。

田植え機で「夢ささら」の苗を植える高瀬さん

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