村上春樹原作の劇場アニメ『めくらやなぎと眠る⼥』日本語吹替版が上映決定

村上春樹さんの小説が原作の⻑編アニメ映画『めくらやなぎと眠る⼥』の⽇本語版上映が決定した。

主要キャラクターを磯村勇⽃さん、⽞理さん、塚本晋也さん、古舘寛治さんが担当。

そのほか、⽊⻯⿇⽣さん、川島鈴遥さん、梅⾕祐成さん、岩瀬亮さん、内⽥慈さん、⼾井勝海さん、平⽥満さん、柄本明さんが吹き替えを担当する。

⽇本語版の演出は深⽥晃司監督が担当した。映画は、7⽉26⽇(⾦)よりユーロスペースほか全国で公開される。

村上春樹原作、初のアニメ作品『めくらやなぎと眠る⼥』

『めくらやなぎと眠る⼥』は、村上春樹さんの小説が原作の⻑編アニメ映画。村上春樹さん原作の初のアニメ作品となる。

⾳楽家/アニメーション作家のピエール・フォルデスさんが、6つの短編(「かえるくん、 東京を救う」「バースデイ・ガール」「かいつぶり」「ねじまき⿃と⽕曜⽇の⼥たち」「UFOが釧路に降りる」「めくらやなぎと、眠る⼥」)を翻案した。

実際の俳優の動きをアニメーションの動きに取り込むオリジナルの手法(ライブ・アニメーション)で制作されており、監督は「ミステリアスなものが絶え間なく問いを⽣み出すような雰囲気を⽬指した」と語っている。

オリジナルの英語版と日本語版の違い

⽇本語版では、原作の世界観にふさわしいリアルな演技を重視してキャスティングを実施。

ストーリーを牽引する⼩村に磯村勇⽃さん、突然失踪してしまう⼩村の妻を⽞理さん、村上春樹ファンからの⼈気も⾼いキャラクター・かえるくんを古舘寛治さん、⼩村の同僚で東京を救うべくかえるくんとタッグを組む⽚桐に塚本晋也さんが担当する。

監督は当初から⽇本語での制作を構想しており、オリジナル(英語)版とは異なる感触が、⽇本語版の中には生まれているという。

磯村勇⽃、⽞理、塚本晋也、古舘寛治のコメント

磯村勇⽃さんのコメント

村上春樹さん原作、初アニメーション映画に⼩村役で携わることができとても嬉しく思います。アフレコの現場では、映像現場のように声を収録し、ピエール・フォルデス監督と深⽥晃司監督の演出の元、細かい表現まで話し合いながら、丁寧にアニメーションへと息吹きを注ぎました。不思議な魅⼒ある世界での壮⼤な旅は、きっと皆さんの⼼の中で何かが蠢く気がしています。是⾮劇場でご覧頂きたいです。

⽞理さんのコメント

村上春樹さん原作の作品に出演することは私の夢の⼀つでした。 しかもアニメで、 初めての声のお仕事で叶うとは。 バラバラの6つの短編の繋ぎ⽬はどこなんでしょうか、 巧妙に縫い込まれた⼩村とキョウコとかえるくんの世界に引き込まれて ⾒終わった後もずっとこの時間の中に漂っていたくなる、 そんな作品です。 これは2009年にNYで種蒔かれて、 パリで芽を出し、 東京で今花咲いた私たちの物語。

塚本晋也さんのコメント

暗さと明るさに満ちた、⽬を反らせることのできない世界。そこにひととき住まわせていただいた。 監督と話しあったのは、分かりやすいものだけがいいものではない、ということ。簡単に⾒つからない答えに思いを巡らせながら、その世界に⾝を任せる。余韻に浸る。⾔葉でないところで感じたものが宝物になるはずだ。

古舘寛治さんのコメント

不思議な作品です。⽇本を舞台にした⽇本⼈の話を外国の監督が作るアニメ。それだけでもあまり聞いたことがない。それによって不思議な世界が描かれてます。もともと英語を話す俳優で芝居を撮ってからそれをアニメにしたということで英語版の⽅が絵とセリフがピッタリハマってリアルなんだけど、作品のリアルは⽇本⼈だから⽇本語版の⽅がリアルに戻ってるとも⾔える。なのにアテレコという。そのズレも不思議さに拍⾞をかけている。しかし、、、アテレコは正直とても難しかったです。

「⽇本語版でもともとの英語版を越えようとしてきている」

シマオ役:⽊⻯⿇⽣さんのコメント

ピエール監督と深⽥晃司監督のもと、ご⼀緒するシーンのあった磯村勇⽃さん、内⽥慈さんにも助けていただきながら、シマオの声を演じられてとても嬉しく思います。表現のなかで「声」というものの持つ良さ、難しさ、奥深さを感じましたし、とても学びの多い刺激的な経験でした。「めくらやなぎと眠る⼥」ぜひ⽇本語吹き替え版でも楽しんでいただけたらと思います。

⼩村の隣⼈の少⼥役:川島鈴遥さんのコメント

静かな⽇常⽣活の中で起こる出来事によって揺れ動く内⾯を、繊細かつ⼤胆に描いたミステリアスな世界感。観終わるとふわっとどこかへ⾶んでいけるような軽さが⾝体に残る感覚が⼼地よく魅⼒的で、この作品に参加できたことをとても嬉しく思います。ぜひ劇場で、「めくらやなぎと眠る⼥」の世界観に触れてみてください。

⼩村の甥のジュンペイ役:梅⾕祐成さんのコメント

この作品を初めて⾒た時、素敵な⾳楽にすぐ異世界に連れて⾏かれました。そこには地震という動かせない現実をベースに分岐点を迎える様々な⼈間模様が夢みたいに響きました。夢から覚めた時、⾒えない所の⼈や事柄に想いを馳せる⼤切さを学んだ気がします。声の仕事は初めてで難しかったですが、素晴らしい作品に関われる事ができ⾃分にとっても光栄な分岐点になりました。

⼩村と⽚桐の同僚・佐々⽊役:岩瀬亮さんのコメント

深⽥晃司さんと⼟居伸彰さんがタッグを組んでレコーディングする! というこんな贅沢な作品に参加できてとても幸せでした。さらに収録にはピエールさんも⽴ち合い、スタジオでは三⼈の個性と知性と作品愛のシャワーを浴びた気分でした。美しく不穏な絵と⾳の中で、妙に真実味のある⽬線や時に滑稽な仕草をする登場⼈物たち。彼ら、彼⼥らの旅を追いながら、夢と現実、ニュースと寓話、そういうものの境界が曖昧になっていく感覚を、ぜひ映画館で感じてください。

佐々⽊の妹・ケイコ役:内⽥慈さんのコメント

六篇の短編がまるで最初から⼀篇だったかのように⾒事に⼀つの物語になっていて、ピエール・フォルデス監督の原作リスペクトと世界を広げる表現⼒に驚きました。深⽥晃司監督のディレクションの元に⾏われた⽇本語版の収録は、アテレコでなくあくまで芝居を模索するという⼀貫した⼿法で、⽇本語のリアリティを探りながら作り上げていく作業はとても濃密でした。シマオ役の⽊⻯⿇⽣さんと揃えてリアクションをするシーンがとても楽しかった。アニメの枠も映画の枠も⾶び越えたミステリアスで魅⼒的な作品。

⼩村と⽚桐の上司・鈴⽊役:⼾井勝海さんのコメント

観ていて最初に感じたこと。全ての⼈物が本当にそこで息づいていて、僕が普段観ているアニメよりももっとリアルに存在していて、とても寄り添ってくれているようでした。村上春樹さん原作の⼩説の持つ何とも⾔えない、体にまとわりついてくるような湿度と同時に妙にカラッとしている空気感。それが⽇本のアニメでもアメリカのでもなく、フランスだからこそ⾒事にはまっているような気がしました。昔好きだった仏映画を思い出しました。観終わって少しするとまた、なんとも不思議な空気に包まれたくなって、すでに沼にハマりそうです。

キョウコの友⼈・ケン役:平⽥満さんのコメント

妙にリアルな現代⽇本と変に⽣っぽい⽇本⼈を描き、独特な世界観のアニメーションを、ピエール・フォルデス監督、深⽥晃司監督両演出のもとに⽇本⼈の僕らが吹き替えるという、不思議な体験でした。ネガティブな気持ちとどう向き合うべきか…。その⼼もとなさ、浮遊感が、村上春樹作品の読後感とも通じているような気がしました。

キョウコの元バイト先のオーナー役:柄本明さんのコメント

台本を読ませていただいて感じたことと、実際にアニメーションをみて、アテレコをしたときは⼤分感じが変わりました。⼀⽣懸命絵と格闘しながらやらせていただきました。ぜひ観ていただけたら嬉しいです。

演出:深⽥晃司さんのコメント

⽇本語版を熱望するピエール監督の前代未聞な情熱に巻き込まれながら進む収録が、楽しくないはずはありませんでした。俳優たちの⾔葉にじっと⽿を澄ませるピエール監督と話し合いながら、作品を1から刷新するような気持ちで臨みました。どうやら監督はこの⽇本語版でもともとの英語版を越えようとしてきている、その緊張感は俳優たちにも伝わっていたのではないかと思います。 かつてないほど⼈間臭く描かれた村上春樹の世界をぜひ楽しんでください。

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