コウノトリひな3羽に足輪装着 小山・渡良瀬遊水地の人工巣塔

足輪装着のため、コウノトリのひな(中央)を捕獲する飼育員ら=23日午前10時10分、小山市下生井

 栃木県小山市下生井の渡良瀬遊水地で23日、今春誕生した国の特別天然記念物コウノトリのひな3羽に、個体識別の足輪を装着する作業が行われた。ふ化後42日程度と推定されるひなの体重はそれぞれ4.7キロ、3.0キロ、3.2キロで、いずれも成育は順調だという。

 作業はコウノトリの飼育施設などで構成する組織「コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル(IPPM-OWS)」の協力を受け、市と渡良瀬遊水地コウノトリ・トキ定着推進協議会が実施。飼育員や獣医師ら19人で行った。

 高所作業車で高さ12.5メートルの人工巣塔に近寄り、親鳥が離れたタイミングを見計らってひなを網で捕獲。地上に降ろし体重測定や個体番号を記した足輪装着などを行った。血液や羽毛などの検体を採取した後、巣に帰した。また、ふ化しなかった卵が一つ見つかり回収したという。

 作業に当たったIPPM-OWSメンバーで兵庫県立コウノトリの郷公園主任研究員の松本令以(まつもとれい)さん(49)は「多くの人に見守られながら順調に巣立ってもらえるといい」と期待した。

 人工巣塔から約400メートル離れた堤防上には市民ら約70人が訪れ、写真撮影などをしながら作業を見守った。

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