座礁1カ月後に船体真っ二つ、韓国籍タンカーから化学物質シクロヘキサンが海に流出 荒れる海域、撤去のめど立たず 鹿児島・口之島沖

〈資料写真〉座礁し、船体が分離したケミカルタンカー=16日午前10時半、口之島沖(第10管区海上保安本部提供)

 鹿児島県十島村口之島沖で韓国籍ケミカルタンカー「キョヨン・パイオニア」(2577トン)が座礁した事故で、第10管区海上保安本部は23日の定例会見で、積み荷のタンクが破損し、化学物質「シクロヘキサン」が海面に漏れ出ていると明らかにした。流出範囲は調査中。

 10管によると、サルベージ会社が21日、現場近くの空気中でシクロヘキサンを検知した。23日現在、口之島沿岸では確認されていない。事故を巡っては、16日に同社から「船体が折れた」と通報があった。

 シクロヘキサンは揮発性が高く、頭痛やめまいを引き起こす。タンカーには約2886トン積まれていた。

 現場は悪天候が続き、撤去のめどは立っていない。24日には台風1号の発生が予想されている。10管の村本克巳警備救難部長は「引き続き早期に撤去するよう船舶所有者に要請する」と述べた。

〈関連〉韓国籍タンカーが座礁した口之島の位置を地図で確認する

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