地球観測衛星「だいち4号」は防災にも、農業にも活用できる優れもの JAXA開発責任者・有川善久さん(鹿児島市出身)が講演「宇宙や衛星に関心持つ機会に」 6月30日、種子島で打ち上げへ

「だいち4号」の模型を持って講演する有川善久プロジェクトマネージャ=23日、鹿児島市

 6月30日に鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから「H3」で打ち上げられる予定の地球観測衛星「だいち4号」は、鹿児島市出身で宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有川善久さん(46)が開発責任者を務めた。23日に同市で講演し「災害が多い日本には欠かせない衛星。鹿児島の人が宇宙や衛星に関心を持つ機会になれば」と呼びかけた。

 だいち4号は、夜間や悪天候でも地表を観測できるレーダーを搭載。災害や地形の変化などを把握する。「だいち2号」と比べて観測幅は4倍の200キロで、ミリ単位の精度で地殻変動を観測できる見込み。製作期間は約7年で、開発費は約320億円。

 有川さんは東京大学大学院からJAXAの前身の宇宙開発事業団に入った。「だいち2号」の開発にも携わり、最終責任者のプロジェクトマネージャに2022年4月就任した。

 だいち4号は5月25日に種子島宇宙センターで報道陣に公開される予定。有川さんは「性能も良くて見た目もかっこいい衛星ができた。だいち4号のデータは農業などにも使えるので、ぜひ活用を試みてほしい」と話した。

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