【中国】小米の24年1Qは純利益2倍、売上高好調[IT]

スマートフォン世界大手の小米科技(北京市、シャオミ)の香港上場企業である小米集団(シャオミ・コーポレーション)が23日発表した2024年第1四半期(1~3月)決算は、中国の会計基準による調整後純利益が前年同期比2.0倍の64億9,090万元(約1,400億円)となった。前四半期比でも32.2%増。好調な売上高や投資益の拡大が大幅増益につながった。主力のスマホの出荷台数は3割以上増えた。

国際会計基準の純利益は前年同期比0.5%減の41億8,206万元だった。

営業利益は37.6%減の36億8,300万元。粗利益率は22.3%となり、2.8ポイント上がった。

売上高は27.0%増の755億680万元だった。

部門別の売上高は、スマホ部門が32.9%増の464億7,970万元で、全体の61.6%を占めた。スマホ出荷台数は33.7%増の4,060万台。

同部門の粗利益率は3.6ポイント上昇の14.8%。製品ラインアップの見直し、中核部品の価格下落などが押し上げ要因となった。

調査会社のカナリスによると、出荷台数ベースで見た同期の世界シェアは13.8%で、3位を維持。シェアは前年同期から2.5ポイント拡大した。56カ国・地域でシェア3位以内に入った。1台当たりの平均販売価格(ASP)は人民元換算で0.6%下落の約1,145元。

モノのインターネット(IoT)・生活家電部門の売上高は21.0%増の203億7,350万元。粗利益率は4.2ポイント上昇の19.9%で、過去最高を更新した。粗利益率の高いタブレット端末やウエアラブル商品の販売増が要因。

タブレット端末の売り上げは70.5%増え、出荷台数は92.6%増加した。スマート家電の売上高も46.0%増と好調で、エアコンの出荷台数は63%増の69万台、冷蔵庫は52%増の53万台、洗濯機は47%増の36万台。スマートテレビとノートパソコンの売上高は前年同期から横ばいを維持した。

インターネットサービス部門の売上高は14.5%増の80億4,840万元となり、同期の過去最高額を更新。広告収入の増加がゲーム収入の減少を相殺した。粗利益率は1.9ポイント上昇の74.2%となった。同部門の海外での売上高は39.0%増の25億元。

同社の3月末時点の月間アクティブユーザー数は世界全体で6億5,810万人となり、過去最多を更新。前年同月末から10.6%増えた。

市場別の売上高は、中国本土が15.8%増の376億3,407万元で、全体の49.8%を占めた。海外は40.3%増の378億7,274万元。

研究開発(R&D)費は25.4%増の51億5,940万元。3月末時点のR&D人員は1万7,421人となり、全従業員の49.2%を占めた。電気自動車(EV)部門のR&D人員は1,000人を超えた。

■EV事業を拡大

小米の子会社、小米汽車は3月下旬に同社初のEVセダン「SU7」の販売を開始した。4月30日までの受注台数は8万8,063台となり、5月15日にはSU7の引き渡し台数が累計1万台に達した。6月の引き渡し台数は1万台以上を目指す。

界面新聞によると、小米汽車はSU7の今年の引き渡し台数を12万台に設定した。

同社は自動運転技術の開発も進めており、独自の自動運転補助システム「NOA(ナビゲート・オン・オートパイロット)」の運用テストを5月末までに10都市で開始する。8月には全国に拡大する予定だ。

小米汽車の販売網は今年末までに、全国46都市の219店に拡大する見通し。

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