活動48年「上越映画鑑賞会」解散へ 6月2日最後の上映 増村会長「役割終えた」

上越映画鑑賞会の思い出を語る増村会長(喫茶プー横丁)

映画の会員制・自主上映団体「上越映画鑑賞会」(増村俊一会長)は6月2日の例会を最後に解散する。幅広い作品上映で地元映画ファンの期待に応えてきたが、一定の役割を終えて48年の歴史を閉じる。

同会は1976年、新潟大高田分校の学生を中心に結成され、独立プロダクションの映画などを上映した。86年から、会員制で映画を上映する例会を年5回実施する現在の形になった。設立当初は厚生南会館で上映会を行い、その後はリージョンプラザ上越、高田中劇会館などを経て最近は高田世界館が会場となっている。

上映する映画は「上越未公開の新作」。90年代は上越市内は2映画館4スクリーンしかなく、ミニシアター系の映画だけでなく、山田洋次監督の『学校』シリーズや『ダンス・ウィズ・ウルブズ』などメジャー作品も上映。2003年3月の『阿弥陀堂だより』は最多となる770人が入場した。

その後、会員の高齢化や趣味の多様化などにより、会員数は1995年の281人をピークに減少。現在は60人となり、例会は赤字が続いた。また運営スタッフの固定化、高齢化もあり、4月の総会で解散を決めた。

上越市はJ―MAXシアターと高田世界館の9スクリーンで幅広いラインアップを上映している。増村会長(70)は「この人口規模でこんなに充実している街はない。ファンでも見切れないほどで、(会は)役割を終えたのではないか」と話した。秋には“さよなら上映会”として上越にゆかりの深い『ふみ子の海』上映を予定している。

最後となる第227回例会は中国西北部の農村に暮らす夫婦の静かな愛を描き「奇跡の映画」と呼ばれた『小さき麦の花』を上映する。時間は午後1時からと同4時から。上映協力券は1500円(当日200円増し)。春陽館書店、高田文化協会、喫茶プー横丁、高田世界館、妙高市文化ホールで販売している。

© 株式会社上越タイムス社