派遣労働者の賃金参考データ誤り 24年度、過少支給も

記者会見する武見厚労相=24日午前、国会

 武見敬三厚生労働相は24日の記者会見で、派遣事業者らが派遣労働者の賃金決定の際に参考にする2024年度の地域別賃金データについて、全国のハローワーク434カ所のうち275カ所の数値に誤りがあったと発表した。新潟や福岡といった34府県が該当する。4、5月分の受け取る賃金が本来額より低い、または高い人がいるとみられる。

 厚労省の担当者は、主に小規模事業者がデータを利用しており「影響は全事業者の数%に満たない」と記者団に説明。間違ったデータは正しい数値に訂正した。

 武見氏は「ご心配とご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる」と述べた。

 厚労省によると、派遣労働者が一般労働者との「同一労働同一賃金」で働くため、賃金の算定基礎となるデータを毎年度示している。数値の算定に必要なデータを集計ソフトに入力した際に誤りが生じた。

 275カ所のうち121カ所が実際より低い賃金データだった。これに基づいて賃金を算定し1カ月働いた場合、1人当たりの賃金が月1400円前後低くなるという。

厚生労働省

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