自称“ムエタイ選手”が大量の金を密輸…決定的証拠が見つからない中、税関職員が抱いたわずかな違和感とは

お笑いトリオ・ジャングルポケットの斉藤慎二、俳優の安斉星来、俳優の高田夏帆が、5月23日放送の『THE突破ファイル 危ない奴らを撃退2時間SP』の再現VTRに出演。大量の金を持ち込もうとする外国人犯罪者を水際で食い止める税関職員を演じた。

税関の検査ブースにやってきた係員の高田と安斉、そして監視官の斉藤。到着するや否や、斉藤は怪しげなそぶりを見せる外国人男性2人組を見つけ「あの2人気になるな…マークしよう」と高田と安斉にも指示を飛ばす。

ブースにやってきた2人はムエタイの選手とトレーナーだという。“選手”の方は「体が鈍っちまって…」とシャドーボクシングをし始めたが、斉藤は「格闘技をやっている割に身体が絞られていない…明らかにムエタイの選手ではない」と疑いの目を向けていた。

係員たちは手分けして所持品をチェック。ボクシンググローブや試合用のトランクス、試合前に頭に着用するお守りの“モンコン”など、ムエタイ選手らしいものも入っていたが怪しい所はない。タイの神様である“ガネーシャ”をかたどった民芸品や、タイ料理に使う調味料の“タマリンドペースト”、“ヤードム”という嗅ぎ薬(ハッカなどが配合されており眠気覚ましや鼻づまり解消になる)など、タイでは日常的に使うであろうものもたくさん入っていたが、これも特におかしなところはなかった。しかし2人のうち“選手”の方は検査中常に身体を動かすなど落ち着きがなく、斉藤監視官も「やはり隠したい何かがあるのか…?」と疑いを強めていた。

荷物からは何も見つからなかったものの、やはり怪しいと感じた斉藤は、“トレーナー”を名乗る男が手に持っていた杖(つえ)をチェックさせてもらうよう依頼。さらにその間、“選手”の男が使っていた空港から貸し出されるカートも調べることとなった。調べてみたのはカートの広告ボードの中やフレームの中。実際にこの中に金塊を隠していた事例も過去にあったのだが、今回は何も出て来なかった。

「もう少しだけ調べさせてください」と粘りの調査を行う斉藤たち。しかし2人組のいら立ちも強くなっており、これ以上引き延ばすのも難しくなりつつあった。「何だこの違和感は…?」「何か見落としていることはないか…?」と必死に考えをまとめようとする斉藤。そしてついに2人の手口を見破った。

「まだ1か所調べてない場所がありまして」と言う斉藤は、安斉と一緒にカートに手をかけると、車輪が上を向くようにカートをひっくり返してしまった。すると、車輪が取り付けられている金属板の裏側に、黒いビニルテープにくるまれた怪しげなものがいくつも貼り付けられていた。その中身は大きな金塊。2人は大量の金を日本国内に持ち込もうとしていたのだ。黒いビニルテープでくるむことで光が反射するのを防ぎ、それを空港のトイレでカートの裏にはめ込み、持ち込もうとしていた。この結果、総重量およそ3kg、2017年当時の時価にして1243万円相当の金塊が押収されることとなった。

「あんなところに金を隠していたなんて…どこで気づいたんですか?」と聞く安斉に、斉藤はカートを移動させたときのことを語った。「カートを触った時、前輪の方に少し重みを感じたんだ」という斉藤に「そんな微妙な重さに気づいたんですか!?」と驚きの表情を見せる安斉。さらに斉藤は“選手”は落ち着きがなくずっと動いていたが、常にカートに手をかけていたのも不審な点として挙げていた。一目見て怪しいと感じた直観力と、ほんのわずかな重さの違いにも気づくことのできる洞察力が検挙の決め手となったようだ。

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写真提供:(C)日テレ

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