【日本ダービー/追い切り診断】前走Vの良血に辛口「B」評価 「なんとか現状維持」で緩すぎる稽古

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第91回日本ダービー(東京優駿/GI、東京芝2400m)には、無敗の皐月賞馬ジャスティンミラノ、17年ぶりの牝馬制覇を狙うレガレイラ、皐月賞4着のアーバンシック、モレイラ騎乗のダノンエアズロックらが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「シュガークン」を取り上げる。

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■シュガークン

【中間調整】半兄にGI・7勝を挙げた顕彰馬キタサンブラック。偉大な兄と同じ清水久厩舎で管理され、デビューの遅れから皐月賞にこそ間に合わなかったが3月24日の大寒桜賞快勝、そして前走・青葉賞も制し3連勝で日本ダービーへの進出を決めている。

中間は短期放牧を挟み、8日に栗東へ帰厩。10日に坂路14-14の初時計を出している。1週前追いには主戦・武豊騎手が跨りCWで稽古駆けする古馬オープンを追走。手応え優勢で併入とした。

【最終追い切り】レース当週は吉村騎手を背に坂路単走。前走時同様ゆったり走らせる調整程度の内容だった。手前の変換に一瞬モタついたが、これも前走時と同じ。終始リラックスして走れてはいた。

【見解】1週前、最終追いの調整過程だけ見れば前走時を踏襲しており、まずは順調に見える。しかしリラックスを主眼に置いているとはいえ、最終追いでラスト2F13秒4-13秒6はさすがに緩すぎる。ハロー明けの走りやすい馬場だったことを考えると、なおさら緩さが気になるところ。そして大寒桜賞、青葉賞時には土曜追いでCW併せ馬である程度負荷を掛けていた。ゆえに最終追いが拍子抜けするほど緩くても大丈夫だっだと言えるが、今回は土曜追いをパスしているのがどうか。余計な負荷を避けて上積みを取りにいかず、なんとか現状維持で……を意識しているのは否めない。兄と同じ厩舎&鞍上という“ブランド性”から注目されるが、ここはちょっと疑っておきたい。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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