韓国の李洛淵元首相がしまなみ海道など訪問 「歴史は歴史として両国関係前に進めば」 「慶長の役」で朝鮮水軍と来島村上氏戦った縁きっかけに

亀老山展望台から来島海峡の眺望を楽しむ李洛淵氏=24日午後、今治市吉海町南浦

 16世紀末、豊臣秀吉による「慶長の役」で朝鮮水軍と戦った来島通総(みちふさ)ら来島村上氏との縁で、韓国の文在寅政権で2年半ほど首相を務めた李洛淵(イナギョン)氏(71)が24日、愛媛県今治市を訪れた。瀬戸内しまなみ海道や村上海賊ミュージアム(同市宮窪町宮窪)などを巡り「歴史は歴史、今は今として、両国の関係がさらに前に向いて進めばうれしい」と語った。

 来島村上氏の軍と朝鮮水軍が交戦した韓国・鳴梁(めいりょう)海峡近くの珍島には、戦死した日本人の墓地がある。首相就任前、同海峡がある全羅南道の知事を務めていた李氏はそれらの縁をきっかけに2014年から交流を深めてきた。15年の李氏の来県に続き、今回も今治市の来島保存顕彰会の元会長、村瀬牧男さん(84)らが案内役を務めた。

 亀老山展望台(同市吉海町南浦)で、李氏は夕日が沈む来島海峡の眺望を楽しんだ。「鳴梁海峡と潮の流れが似ているように感じる」と語り、今治と韓国の共通点や歴史に思いをはせていた。

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