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●県内では20年以来の人身被害
24日午前8時20分ごろ、射水市串田の牧野百合子さん(73)が自宅庭でイノシシに襲われ、左足のすねに突進されて軽傷の擦り傷を負った。イノシシはそのまま走り去った。富山県内でイノシシによる人身被害は2020年4月に富山市で発生して以来となる。
県と射水市によると、牧野さんは1人で庭の草刈りをしていたところ、5メートルほど離れた茂みからイノシシ1頭が現れた。イノシシは牧野さんに向かって突進し、左足にぶつかった。現場に残っていた足跡から体長70~80センチと推定される。
牧野さんからの通報を受け、市職員らが周辺をパトロールしたが、イノシシは見つからなかった。市はホームページやLINE(ライン)で住民に注意喚起した。
現場は北陸自動車道そばの中山間地。高岡カントリークラブが近くにある。
●「息できないほど驚き」
牧野さんは病院から戻ってきた後、「息ができなくなるくらい驚いた」とイノシシに突進された衝撃を語った。大声で「あっちに行け」と叫んで追い払ったといい、「びっくりし過ぎて、1時間くらい胸がドキドキしていた」と振り返った。
長年、高岡カントリークラブでキャディーの仕事をしているため足腰が鍛えられているとし「突進されても踏ん張ることができ転ばなかった」と語った。
近くに住む親戚を呼びに行って自宅に戻ると、イノシシが庭の隅でうずくまっていたという。くわを振りかざして近づくと逃げたという。「1人暮らしなので、まだ近くに潜んでいるかもしれないと思うと怖い」と話した。
●音出して遭遇避けて ファミリーパーク職員
富山市ファミリーパークの岸原剛動物課長代理は、イノシシは本来臆病であることから「遭遇を避けるには鈴などで音を出すことが有効だ」と指摘した。春ごろに出産するイノシシはこの時期は子育てをしており、子を守るために人を襲う恐れがあるという。
イノシシは昼間に活動する。岸原さんは「イノシシの足跡やふん、泥を浴びる『ぬた場』、地面を掘り起こしたような跡を見つけた場合はその場から立ち去ってほしい」と呼び掛けた。
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