「シークレット・ガーデン」を久々に一気見。ヒョンビンのラメジャージにどうしようもなく惹かれる1〜5話レビュー【韓国ドラマ】

「シークレット・ガーデン」は、2010年11月から2011年にかけて、韓国SBSで放送されたテレビドラマ。「これこそラブコメの王道!」と絶賛する方も多いのではないでしょうか。ドラマの放映後、ヒョンビンが兵役に行ったことでも話題になりました。全20話を久しぶりに一気見した感動を3回に分けてお届けします。この記事は1〜5話のレビューです。
※ネタバレにご注意ください

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一度見たことがあるけれど、久しぶりに一気見してよかったと思える韓国ドラマとしては1、2を争う『シークレット・ガーデン』。何周見ても、見るたびにじんわり幸せな気分に浸って癒されるファンタスティックなラブコメの傑作だ。

ロエルデパートCEOのキム・ジュウォン(ヒョンビン)は長身イケメンで仕事もでき、御曹司ならではの過剰な自信を持ち合わせた俺様男。「これがベストで確実だと?」が口癖の合理主義者だ。だが、ある出来事のトラウマで閉所恐怖症になり、9階の社長室までエレベーターには乗らず、延々エスカレーター移動をしている。

そんなジュウォンが偶然出会ったのが、スタントウーマンとして体を張って生きるキル・ライム(ハ・ジウォン)。「5番脊椎を6番にする?」が口癖の男前な性格だが、ロケ現場で怪我をしても、監督に理不尽に怒鳴られても平謝りし、危険な撮影に立ち向かう姿が、なぜかジュウォンの頭から離れない。

だが、「結婚はM&A。家柄、学歴、実力、24歳以下、の条件が揃った女としかしない」と豪語して見合いを繰り返し、広大な敷地の豪邸に住むジュウォンにとって、早くに両親を亡くし、おしゃれとは無縁でボロかばんを肩にかけ、家賃30万ウオン(3万円強)の部屋をルームシェアするライムの貧しい暮らしぶりは、ドキュメンタリーでしか見たことがないものだった。

金持ちのお嬢様しか寄せ付けなかったジュウォンにしてみれば、ライムの言動はすべてが謎だらけ。でも、「おかしな女だから気になる。いまの僕は異常だ」とド派手なラメジャージ(韓国ではコピー商品まで完売続出の大人気!)でライムにストーカーのように付きまとう。クールな経営者として成功を収めてきたジュウォンにとって、初めて理性でコントロールできない感情に突き動かされた経験だったに違いない。

豪邸に住むジュウォンの頭から離れないのは……

そんなジュウォンの正体が財閥御曹司だと知っても興味を示さず、突き放そうとするライム。ところが、大ファンの韓流スター・オスカー(ユン・サンヒョン)の前では一転、女らしく振る舞う姿にジュウォンは激しく嫉妬する。なぜなら、オスカーは同じ敷地に住む従兄弟で、ライバル関係だからだ。

この3人に加え、ジュウォンの見合い相手として登場するのが良家の生まれで才色兼備のCM監督ユン・スル(キム・サラン)。その昔、オスカーの恋人だったというからややこしい。さらに、ライムが所属するアクションスクール代表のイム・ジョンス(イ・フィリップ)はライムを優しく見守り、静かな好意を抱いている。

生きる世界も価値観もかけ離れたジュウォンとライムは、会えば言い争い、お互いを傷つけ合うばかり。2人の距離は、近づいては離れ、を繰り返す序盤1~5話。

済州島の深い森の中で出会ったのは……

5話後半では、オスカーのPV撮影が行われる済州島にスタントチームの一員として同行したライムと、オスカーのちょっかいが心配になって追いかけてきたジュウォン—— 3人でマウンテンバイクのレースをし、ライムは道に迷う。深い森の中でライムを探し出したジュウォン。2人は「神秘のガーデン」という不思議な店に辿り着き、女主人から「娘を救うための薬」だという薬酒を土産にもらう。

照れながらも探しに来てくれた礼を言うライムに、ジュウォンは「一度抱いて、よかったら今と違う人生を歩ませてやる」と言い、「シンデレラになれる?」とライムが聞き返すと、「君がなれるのは“人魚姫”だ。ひっそりと存在し、泡のように消える」と言い放つ。結婚する気はない、いずれ都合よく消えてくれ、というとんでもなく身勝手な言い分だ。

そんな言葉を突きつけられてショックを受けるライム。そんな言葉を口にした後悔に沈むジュウォン。それぞれが物思いにふけり、土産の薬酒を飲み干して、眠りにつく。窓の外では雷鳴が響き、大雨が降り始め、そして朝起きると、2人の魂が入れ替わっていた……。

何と言っても、傲慢でツンデレな御曹司ジュウォンを演じたヒョンビンの魅力が光る。「上流階級が願うのは、下流階級との徹底した差別化だ」なんて無礼な言葉をライムに投げつけても、なぜか憎めない。それは、ところどころでクスッと笑わせてくれる、“隙”のある演技のおかげだと思う。

たとえば、上体起こしで足首を押さえるライムの顔ギリギリまでグイッと顔を近づけて驚かせるシーン(3話)、主治医に「恋患いってどんな症状が出る?」と真顔で聞き、庭で「好き、嫌い」と花占いに耽るシーン(4話)……。ふだんは隙のないカンペキ男の、ちょっと可愛くて情けない姿にキュンがこみ上げる。

ヒョンビン自身が「初めて見たときは思わず笑ってしまった」というラメジャージも、「ジュウォンというキャラクターを作ってくれた一番の功労者」とインタビュー(※)で語り、“隙”のあるキャラクター作りに欠かせないアイテムだったようだ。

ジュウォンはBMWのスポーツカーを乗り回していた。

迫力満点でスタイリッシュなスタントシーンを自ら演じたハ・ジウォンのカッコよさにも惚れ惚れする。華麗にアクションを決めたあとのキリッとした眼差しが印象的だ。ハリウッドのアクション女優、という夢に向かって、スタントと真剣に向き合うライムであって初めて、ジュウォンが一目で恋に落ちた理由に説得力が生まれる。

そして、スタントウーマンという仕事を丁寧に描くことで、ドラマに厚みも加わった。お仕事ドラマとしても、十分楽しめる。

撮影当時、ヒョンビン28歳、ハ・ジウォン32歳だったので、ときおりライムがお姉さん(年上)に見えてしまうところも妙にジワる。ヒョンビンがとにかく若い、細い、そして美しい。

物語の中盤はいよいよ、男女の魂が入れ替わるファンタジーな仕掛けへと突入。さまざまなギャップを越えた愛を深めていく。

参考:『韓国ドラマ「シークレット・ガーデン」オフィシャルガイド 前編』(2012年4月24日発行/講談社)


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