定額減税1人4万円も、電気代高騰、実質賃金減の現実…物価上昇を上回る給料アップなるか

24日、総務省は「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)4月分」を発表した。

それによると、4月の物価指数は、前年同月と比較して、2.5%の上昇。2020年を100とすると、7.7ポイントの上昇となった。

また、天候によって値段が左右される生鮮食品や、原油価格の影響を受けやすいエネルギー(電気代、都市ガス代、プロパンガス、灯油、ガソリン)を除いた指数は、前年同月比で2.4%の上昇。2020年を100とすると、6.5ポイントの上昇となった。

これを受け、5月24日に行われた内閣官房長官記者会見で、林芳正内閣官房長官は「名目賃金の上昇が物価上昇を上回っていない状況」を踏まえつつ「所得の伸びが物価上昇を上回る状況を確実に作り出していきたい」との考えを述べた。

また、林官房長官は、賃上げ促進税制の強化、中小企業の省力化投資の支援価格転嫁対策等により「賃上げの原資となる、企業の稼ぐ力の強化等にも引き続き取り組んでまいりたい」と述べた。

電気代は値上げ・実質賃金は減少…定額減税の出口に「所得の伸びが物価上昇を上回る状況」はあるのか

岸田政権肝いりの「物価高騰対策」による電気・ガス料金の負担軽減措置は、今年6月からおよそ半額になることに加え、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価、いわゆる再エネ賦課金は1.40円から3.49円に引き上げられる。

くわえて、23日に発表された厚生労働省の「毎月勤労統計調査・令和5年度分結果確報」では、名目賃金は3年連続で増加となった一方、実質賃金については、2年連続減の2.2%減となった。

6月から1人4万円の定額減税が始まるが、定額減税がいつまでも続くわけではない。

給与所得者の場合、4万円のうち、3万円分の所得税分が今年6月から最大12月まで、1万円分の住民税分が2025年5月までが、それぞれ定額減税により減額される期間だ。

それが終わったとき「所得の伸びが物価上昇を上回る状況」が作られるのだろうか。

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