サーフィンの可能性(5月25日)

 サーフィンは古代から、ハワイやタヒチで親しまれていたとされる。3年前の東京五輪で正式種目となり、スポーツとして認められるようになった。かつてのレジャーのイメージは遠のいた感がある▼県内のサーフィン専門店によると、浜通りの海岸では年間を通じてサーファーが増えているという。東北のハワイと称されるいわき市の豊間や四倉、楢葉町の岩沢、南相馬市の北泉…。海に張り出す地形が安定して波を立たせる。新型コロナ禍でも、感染リスクが低いと始めた人もいる▼安全に楽しんでもらい、海の風評を払拭したい―。専門店はボードを貸し出し、初心者向けの教室に力を入れている。老若男女に基礎から丁寧に教える。漂着ごみを拾って持ち帰るワンハンド・ビーチクリーン運動も推奨する。ストレス解消と環境保全を両立してもらう▼6月末からの大会シーズンに向け、南相馬市などで受け入れ準備が進む。全国から選手が集まれば旅館や飲食店がにぎわう。2026(令和8)年のJRの大型観光企画「デスティネーションキャンペーン」のメニューに、サーフィン体験を加えてはいかがだろう。観光交流の大きな波に乗らない手はない。<2024.5・25>

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