料理で地元に恩返し ホテル國富アネックス 小柳 卓さん(63) 故郷に今春Uターン 都心のホテルなどで活躍

調理場に立つ小柳さん

糸魚川市大野のホテル國富アネックス(山下建夫社長)に今春から勤務している小柳卓さん(63)は、都心の高級ホテルなどで長年にわたり活躍してきた実績あるシェフ。生まれ育った糸魚川の地にUターンし、「地元に貢献したい」と恩返しの思いを持って腕を振るっている。

小柳さんは高校卒業まで同市で過ごし、都内の調理師専門学校への進学を機に上京。1980(昭和55)年から30年以上にわたり東京プリンスホテル(東京都)で勤務し、2012(平成24)年からKKRホテルに入り同熊本(熊本県)の料理長を務めるなどしてキャリアを積んだ。

政財界の要人や有名芸能人らを客に迎えたことも多く、「山口百恵さんのパーティーで、『いい日旅立ち』を生歌で聴いたときは本当に感動した」と当時を振り返る。

高齢になった両親と糸魚川で暮らしながら料理で故郷に貢献したいと考えていたタイミングで、ホテル國富アネックスから求人が出ていることを知り、応募。「調理アドバイザー」として迎えられることになった。山下社長と林哲也支配人代理・営業課長は「良いご縁に恵まれた」と声をそろえる。

実に40年以上を経て再び始まった糸魚川暮らし。小柳さんは「両親は本当に喜んでくれている。同級生からは、『早く帰ってきて、おいしいもの作って』と言われてましたし」と笑みを浮かべながら、「(糸魚川は)人口流出で人が減っているので、何とか盛り上げていきたい。地域の方々に来ていただき、『おいしかった』『また来たい』と思っていただければ」と抱負を語った。

◇納涼会プラン担当し腕振るう

ホテル國富アネックスは今夏、予約限定の特別プラン「サマーパーティー」を用意する。

このうち6・7月限定の「日帰りオードブル納涼会プラン」(10人以上、1人税込み5500円)の料理は、小柳さんが担当する。

予約、問い合わせは同ホテル(電025・550・1000)へ。

左から山下社長、小柳さん、林支配人代理・営業課長。「良いご縁に恵まれた」と声をそろえる

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