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八戸市民大学講座(市教委主催)が22日、市公会堂で開講した。本年度の初回は、市立図書館の創立150周年を記念し、直木賞作家の石田衣良さんが講師を担当。昨今の出版業界の現状に触れながら、本の魅力や楽しさを伝えた。
石田さんは1997年に、後に人気シリーズとなる「池袋ウエストゲートパーク」(文藝春秋)でデビュー。「4TEEN」(新潮社)で直木賞を受賞し、その後も作品を次々と発表している。
全国の書店では、95、96年をピークに売り上げが減少。書店自体も徐々に姿を消す現状に触れ、「さまざまなエンタメ(エンターテインメント)が増えたことで、本にとっては相当厳しい時代になった。紙の本は今後、植木や俳句などのような趣味のようなものにさらになっていくだろう」と指摘した。
一方、本は情報の詰まった力のあるツールであるとし、「もし世界の文明が滅んだとしても、図書館があれば再現できると言われている」と強調。「本はただの商品ではなく、魔法の書でもある。本に触れる習慣を身に付けることで、その力に気付いてほしい」と締めくくった。
市民大学講座は11月までの全10回で、今後はスピードスケート元日本代表の加藤条治さん、元将棋棋士で投資家の桐谷広人さんらが登壇する予定。【全文】