県警警部補を逮捕 拳銃入れ、手錠窃盗疑い 本部倉庫侵入 フリマアプリで販売

装備品が盗まれた富山県警本部。警部補が逮捕された=富山市内

 富山県警は25日、県警本部の倉庫に侵入し拳銃入れと手錠計3点を盗んだとして、建造物侵入と窃盗の疑いで、警務部警務課付の警部補宮崎伸一朗容疑者(43)=富山市清水町=を逮捕した。宮崎容疑者はうち2点をフリマアプリで計19万円で販売していた。倉庫からは他にも備品がなくなっており、県警は関連を調べている。県警の現職警察官逮捕は2020年8月以来となる。

 逮捕容疑は、交通部交通指導課に所属していた昨年4月19日~今年2月23日ごろ、県警本部敷地内の倉庫に侵入し、拳銃入れ1点と手錠2点を盗んだ疑い。宮崎容疑者は容疑を認めている。

 県警によると、宮崎容疑者は当直勤務の際に複数回、非常用の鍵を使って倉庫に侵入した。倉庫では破損して廃棄予定の備品などを保管していた。今年2月に他県警から、装備品の可能性のある物品がフリマアプリで販売されており、宮崎容疑者の関与が疑われるとの情報提供があった。

 盗まれた3点のうち拳銃入れが10万円、手錠1点が9万円で購入されていた。県警はいずれも回収し、残る手錠1点も関係先から押収した。宮崎容疑者は2月29日に警務課付となり、その後は出勤していない。山﨑隆之警務部長は「警察官にあるまじき行為で誠に遺憾であり、深くおわび申し上げる。厳正に対処する」とコメントを出した。

  ●倉庫管理不備認める 首席監察官

 県警本部で事件の概要を説明した井上数也首席監察官は、情報提供を受けるまで倉庫内の物品の窃盗に気付かなかったことについて「管理に不備があったと認識している」と述べた。

 非常用の鍵は倉庫や執務室などを開けることができ、当直責任者が管理することになっていた。井上首席監察官は、宮崎容疑者が鍵を持ち出した方法や管理が適切だったかについては回答を避けた。

 県警は再発防止のため、非常用の鍵で倉庫を解錠できないようにし、防犯カメラを増設。25日付で全職員に綱紀粛正の徹底を指示する本部長通達を出した。今後、各警察署を含め装備品や鍵の管理方法を見直す。

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