【東京】好きの詰め合わせ。新食感が楽しめる老舗『銀座ベーカリー』に感激…!

【銀座ベーカリー】 店先のテーブルでお菓子とコーヒーをいただくこともできます

『ギンビス』のお菓子を食べたことがない人はまずいないだろう。

私は子どもの頃から「アスパラガスビスケット」が好きで、いまも好んで食べている。ギンビス・ファンを長年続けてきたが、社名の由来や会社の歴史はまったく知らなかった。

【画像】新食感のお菓子が楽しめる『銀座ベーカリー』

当時の社名は『銀座ベーカリー』

【銀座ベーカリー】 1945年に銀座1丁目にオープンした『銀座ベーカリー」のレストラン。画像提供/ギンビス

1945年、銀座一丁目にレストランを開業。と同時にお菓子やパンも売っていた。

その後販売した「ギンビスコ」、「バターしるこ」、「アスパラガスビスケット」などのお菓子が飛ぶように売れたことからレストラン事業からお菓子メーカーに特化。

1974年、創業の地である「銀座」と「ビスケット」で社名を『ギンビス』に変更した。

唯一無二のお菓子を供する『銀座ベーカリー』誕生

【銀座ベーカリー】 銀座ベーカリーの店内

そして2013年、旧社名『銀座ベーカリー』の名で別会社を設立。

レストランがあった銀座一丁目に、『銀座ベーカリー』の名でイートインスペースを兼ねた焼菓子店をオープンした。

販売するお菓子は「カステラビスケットサンド」「レアーズ」「Gスティック」の3種類。

【銀座ベーカリー】 銀座ベーカリーの丸山豪士店長

「お菓子はすべてビスケットを作る技術で作っています」と教えてくれたのは、店長の丸山豪士さん。

どのお菓子も食べて驚いた、というよりも感動した。

決して派手なお菓子ではない。けれど、体験したことのない食感と、豊かな味わいをたのしませてくれるお菓子だった。

生のような新食感のビスケットに感動

【銀座ベーカリー】 新食感の「カステラビスケットサンド」が大人気。食べる価値があると思います

まずは、「カステラビスケットサンド」から。生クリームを丸いビスケットで挟んだお菓子だ。

プレーン(355円/以下すべて税込)、チョコレート ディップ、ラムレーズン(共に384円)の3種類。

【銀座ベーカリー】 「カステラビスケットサンド」のラムレーズン

サクッとした食べ心地と、レーズンが入ったクリームがレーズンサンドの持ち味。ところが、「カステラビスケットサンド」のラムレーズンは、レーズンサンドとはまったく異なる。

「ビスケットなのだから硬いだろう」と思って齧ったら意表をつかれた。

まったく硬くないのだ、硬いどころか「ふにゃ」だった。

【銀座ベーカリー】 「カステラビスケットサンド」のプレーン

生のような食感という意味で「生ビスケット」だった。

もうひとつ特徴があると丸山さんは力説する。

「さっぱりとした生クリームに仕上げるために、ほぼ純生クリームを使っています」

ケーキ用のクリームは、植物性の油脂などを加えて安定させる。一方、「カステラビスケットサンド」は、植物性の油脂をできる限り使わない生クリームを使うことで、さっぱりとしたキレを探求したというのだ。

【銀座ベーカリー】 2階で「カステラビスケットサンド」とコーヒーをいただきました。イートインスペースを利用すると「Gステック」を3種類試食させてもらえます

食材の組み合わせこそレーズンサンドに似ているが、レーズンサンドでは体験したことがない、

ふわふわとした生クリームと、生ビスケットのような食感が愉快だった。コーヒーを飲みながら食べると、カプチーノのような味わいを愉しめた。

スタイルこそ似ていれど、全く新しい「Gスティック」

【銀座ベーカリー】 「アスパラガスビスケット」によく似た『銀座ベーカリー』の「Gスティック」。左から野菜、セサミ、枝豆

「Gスティック」は、セサミ・枝豆・野菜の3種類(すべて631円)。

セサミは「アスパラガスビスケット」にそっくりだが、硬さが異なると語る丸山さん。

枝豆と野菜は、ジャガイモがベースの生地を揚げずにオーブンで焼成。枝豆も野菜もチーズが入っているのでビールとも合います。

10種類すべて生地を変えている「レアーズ」

【銀座ベーカリー】 「レアーズ」。(上から時計回り)パイナップル、マカデミアレーズン、チョコレートチャンク

一番感激したのが「レアーズ」だ。味は10種類(すべて286円)。

そのうちの一番人気のマカデミアレーズン、チョコレートチャンク、パイナップルをいただいた。

丸山さんがいうとおり、地味なクッキーかもしれない。ところが、手でわった瞬間驚いた。硬くないのだ。

【銀座ベーカリー】 「レアーズ」は全10種類。全部食べてみたくなる新食感のクッキーでした

生のようなクッキーという意味で「生クッキー」と呼んでもいいかもしれない。

マカデミアレーズンはシナモンを使用。チョコレートチャンクは、ビターのチョコレートとホワイトチョコレートを併用。

「口のなかでチョコレートの濃淡がでるような作りにしています」

見た目と味わいのギャップがこれほどあるお菓子は珍しいかも。

【銀座ベーカリー】 ビターのチョコレートとホワイトチョコレートを使った「チョコレートチャンク」

3枚のなかで一番感動したのが、パイナップルだ。

生のようなクッキーの食感と、パイナップルの旨味が凝縮した味に虜になった。ドライのパイナップルを戻してから使うことでさらに旨味が増すんだそう。

もっと驚いたのが、丸山さんの次の言葉だった。

「10種類の生地をベースからすべて変えています。しかも手焼きです。水分を保つことで、しっとり感を出しています」

体験したことがない「新食感のお菓子」を銀座で

【銀座ベーカリー】 ブルーを基調とした買い物袋が素敵でした

「レアーズ」だけでなく、「Gスティック」も「カステラビスケットサンド」もなぜそこまで凝るのだろうか。

「銀座にはおいしいお菓子屋がたくさんありますが、同じようなお菓子を作ろうとは思っていません。私達にしかできないお菓子を作ろうという思いで、『銀座ベーカリー』の名を復活させました」

おいしいだけでなく、体験したことがない新食感のお菓子を銀座で提供している。

生のようなビスケット、生のようなクッキー。原稿を書きながらも、早く買いに行きたいとうずうずしている。

【店舗情報】銀座ベーカリー

◼︎住所:東京都中央区銀座1-5-5
◼︎電話:03-3538-0155
◼︎営業時間:11:00~20:00(日曜~18:00)不定休

(うまいめし/ 中島 茂信)

© ぴあ朝日ネクストスコープ株式会社