人生儀礼 喜び伝える いわき市暮らしの伝承郷で企画展 昭和以前の史料展示 8月25日まで

企画展「人生儀礼Ⅰ」で展示している「長持」

 いわき市暮らしの伝承郷の企画展「人生儀礼Ⅰ」は25日、福島県いわき市鹿島町下矢田の同施設で始まった。一生のうちに経験する人生儀礼の中で、特に誕生前の安産祈願から結婚までの儀礼に着目し、市内で実際に使用された道具や写真、史料などを展示している。8月25日まで。

 展示内容は、第1章「誕生」が子授け祈願や安全祈願、出産、お宮参りなど、第2章「成長を祝う」が初正月、初節句、初誕生、七五三、成人式など、第3章「結婚」が男女の出会い、結納、嫁入り、結婚式など。テーマごとに明治から昭和の中頃までに行われた儀礼の様子をパネルで解説している他、市内に残る史料や写真、実際に使われた衣装や道具などを並べている。

 このうち「結婚」のコーナーには、市内遠野町下滝の下滝青年会が昭和40年代から50年代にかけて使っていた「長持」が展示された。長持には嫁入り道具を入れ、花嫁が嫁ぎ先に行く際、浴衣姿の青年会が担いで行ったとされる。会場では来場者が展示物を興味深そうに観賞しながら、昔の儀礼に理解を深めている。

 6月29日、7月27日には職員による展示解説がある。時間は両日とも午後1時30分から午後2時30分まで。企画展は観覧料(一般340円、高校生・高専生・大学生220円、小・中学生170円)が必要。開園時間は午前9時から午後5時(最終入園は午後4時30分)まで。問い合わせは同施設へ。

(いわき版)

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