【マレーシア】富山の「麺家いろは」、ムスリム圏目指す[サービス]

「お試し出店サービス」を利用して出店した富山ブラックラーメンの「麺屋いろは」=25日、クアラルンプール(NNA撮影)

「富山ブラック」と呼ばれる富山県の名物ラーメンのチェーン店「麺屋いろは」を展開する天高く(富山県射水市)は25日、マレーシアの首都クアラルンプールで期間限定店を開業した。イスラム教徒(ムスリム)が人口の6割以上を占めるマレーシアに出店し、「ノンポーク・ノンラード・ノンアルコール」のラーメンを提供することで、ムスリム向けの商品開発やオペレーションを模索し、本格出店を目指す。既に世界最大のムスリム人口を擁する隣国インドネシアへの進出も決まっているという。

麺屋いろはは、クアラルンプールの繁華街ブキビンタンの商業施設「ロット10」にある日本食レストランが集結したフードコートエリア「ジェーズ・ゲート・ダイニング」での、「お試し出店サービス」を利用しての出店となる。期間は今年11月までを予定している。

マレーシアでのメニューは、黒いスープが特徴の「富山ブラック」のほか、現地の好みに合わせた辛味噌ラーメン、カレーラーメンなど。栗原清会長によると、オープンに先駆けて地元のインフルエンサーを招待して実施した試食では、辛味噌ラーメン、カレーラーメン、トッピングの牛すきやきが好評だったという。塩気が強い食べ物を苦手とする人が多いことから、日本の味付けよりも2割ほど塩を控えている。

栗原氏は、今回の期間限定出店では「ノンポーク・ノンラード・ノンアルコール」での対応となるが、本格出店が決まった場合は、イスラム教の戒律に従っていることを示す「ハラル」認証を目指したいと意欲を示す。6カ月の出店期間を通じ、ハラル認証にふさわしい物件探しや人材採用、商品構成などを検討していく計画だ。

天高くは現在、富山県に2店舗、京都府と神奈川県に各1店舗を展開するほか、海外では、香港に1店舗、台湾とタイに各2店舗を展開している。栗原氏によると、既にインドネシア進出に向けて現地パートナーが決まっており、バングラデシュからも声がかかっているという。ムスリム市場の開拓を通じ、最終的には中東進出を目指したいとも話した。マレーシアなどで培ったムスリム市場向けノウハウを日本に持ち帰り、インバウンド(訪日客)向けに生かす可能性も示唆した。

富山ブラックラーメンの牛すきやき乗せ=25日、クアラルンプール(NNA撮影)

ジェーズ・ゲート・ダイニングのお試し出店サービスは、マーケティング事業を手がけるラバブルマーケティンググループ(東京都港区)が、マレーシアの共同出資会社テイスト・フード・ジャパンを通じて提供している。

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