趣一新、心潤す秀作群 総合花展金沢展・後期展が開幕

趣を一新した後期展の会場で作品に心潤す来場者=金沢市の香林坊大和8階ホール

  ●香林坊大和8階、28日まで

 石川県いけ花文化協会創立30年記念・第27回総合花展金沢展(同協会、北國新聞社主催)は26日、金沢市の香林坊大和8階ホールで後期展が始まった。趣を新たにした会場では、家族連れや愛好者が熱心に鑑賞し、心を潤す初夏の秀作群を堪能した。

 協会の常務理事から会員まで109人が新たに作品を披露した。児童生徒12人の小作、全期間通じて展示される参与、専務理事計6人の特別大作を合わせた127点が並んだ。

 会場には、涼しげなガラスの花器や水盤などに爽やかな新緑が生けられ、訪れた大勢の愛好者が地元華道家の創意と向き合った。子どもたちによるみずみずしい作品も来場者の心を和ませた。

 津幡町の華道家は、能登の姉弟子から託されたハナイカダやシランなどを組み合わせた。高低差のあるダイナミックな作品に仕上がっており、鑑賞者に自然の力強さを感じさせた。

  ●花言葉で復興願う

 花言葉で能登の復興を願う作品もあった。まっすぐ茎を伸ばす姿から「不屈の心」を象徴するギガンジウムなど、この時季ならではの花材を寄せた秀作に加え、「希望」のトルコキキョウに「強い心」のハランをニシキギで支えて高く生けた大作もお目見えし、来場者は華道家が花に託した思いを感じ取った。

 後期展の会期は28日まで。入場料は600円(高校生以下無料)となる。

© 株式会社北國新聞社