古式ゆかしく手植え 桃山時代の衣装で 椿大神社が御田植祭 三重

【苗を植え付ける植方女ら=鈴鹿市山本町の神饌田で】

 【鈴鹿】三重県鈴鹿市山本町の椿大神社(山本行恭宮司)は26日、同町の神饌田・瑞宝稲荷社で、五穀豊穣(ほうじょう)を祈念する御田植祭を開いた。桃山時代の衣装を着けた植方ら40人が水稲イセヒカリの玉苗を古式ゆかしく手植えした。

 約1200平方メートルの神饌田に、一文字がさに紋帷子(もんかたびら)、あかねだすき姿の植方女が一列に並び、植方男から苗を受け取りながら、玉苗を3―4本ずつ丁寧に植え付けた。神饌田横の特設舞台では、巫女(みこ)や敬神婦人会員らによる「浦安の舞」「椿満開音頭」などの祭祀舞や舞踊の奉納があった。

 植え付け後、同大神社と別宮椿岸神社それぞれの主祭神・猿田彦大神と天之鈿女命を描いた大うちわを3度合わせ、秋の豊かな実りを願う大団扇(おおうちわ)合わせ神事があった。

 同田の稲は10月初旬ごろに収穫し、そのうち1俵を伊勢神宮に奉納する。同祭は平安時代から伝わり、明治時代に一時中断したが、昭和51年に復活させ49回目となる。

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