制球に苦しむ投手への指揮官の温かい対応が話題を呼んでいる。
現地5月26日に行なわれたシンシティ・レッズ対ロサンゼルス・ドジャースの一戦。4点のリードを許したドジャースは8回、3番手としてヨハン・ラミレスがマウンドに上がったものの、2死からヒットと連続死球を与え満塁のピンチに。ラミレスは同24日のレッズ戦でも2つの死球を与えており、直近2試合で4死球となってしまった。
がっくりと肩を落とすラミレスに対し、マウンド上に歩み寄ったデーブ・ロバーツ監督。大乱調の右腕の頭を両手で抱えるようにして、耳元で励ましの言葉を語り続ける場面が20秒ほど続くと、指揮官はそのままラミレスを続投させ、ベンチへと戻る。そして、ラミレスは後続をライトフライに切って取り、天を仰いで胸に手をやりホッとした表情をみせた。
このロバーツ監督の対応に地元ラジオ局『ESPN LA』のブレイク・ハリス記者は自身のX(旧ツイッター)で、「ドジャースの現在のプレーは面白くないが、これは評価しなければならない。これがデーブ・ロバーツがトップ・マネージャー(監督)のひとりである理由だ」と綴り、その行動を絶賛している。
専門メディア『DODGERS NATION』のダグ・マッケイン記者も同様に指揮官の行動を絶賛しており、「監督としてのデーブ・ロバーツを疑うことはできても、人間としてのデーブ・ロバーツを疑うことは決してできない。ドクのためにプレーするのを好まなかった選手をひとりでも見つけてくれ。見つけるのは無理だ」と綴っている。
さらに、『Orange County Register』のビル・プランケット氏は試合後のロバーツ監督の談話として、「彼を安心させて、自信を与えて、少し愛情を注ぎ、プレッシャーを取り除きたかった。彼の頭の中、心の中で何が起こっているのか、そんなことを感じている。私はメジャーリーグで投げたこともないが、時々孤立しているようにも感じる。だから、我々全員が彼を応援していることを示したかったんだ」という言葉を紹介。
該当シーンをチェックしたドジャースファンや日本人ファンからは「監督の愛が詰まりすぎている」「100%正しい」「かなりクール。正式にデーブ・ロバーツファンになった」「理想的なボス」「素晴らしい指導者」「選手と監督の絆ですね!感動」「グッドコーチ!」「どのスポーツもメンタルが大事。日本じゃありえない光景ですな。笑」といった声が数多く寄せられている。
ドジャースは26日のレッズ戦に敗れ今季最長を更新する5連敗。苦しい時期を過ごすチームだが、ここからの巻き返しが期待されるところだ。
構成●THE DIGEST編集部