止まらない『電気代の値上がり』…高くなる理由は?安く抑えるためにできる対策も

年々高騰していく『電気代』…家計圧迫の原因に

毎年のように値上げされる電気代…食材や日用品の物価も高騰している中、電気代が大幅に高騰している現状は、すべての日本国民の悩みの種と言えるでしょう。

さらに、2024年5月には再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上げが決定しており、2024年6月には政府による電気代・ガス代の補助政策も終了予定です。

つまり、すでに現時点で家計に大きなダメージを与えている電気代が、2024年5月〜7月にかけて、さらに値上がりすることになります。

止まらない『電気代の値上がり』…高くなる理由は?

なぜこれほどまで日本の電気代は高騰しているのでしょうか。その主な要因を解説します。

世界情勢によって燃料価格が高騰している

近年、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、世界的に経済が低迷しました。現在は少しずつ回復傾向にあり、その過程で原油の価格が高騰しています。

また、現在も終わる気配のないロシアによるウクライナ侵攻により、経済制裁を受けたロシアの輸出入制限も大きな要因です。これにより、さらに燃料価格が高騰し、その影響を日本も大きく受けています。

歴史的な円安の影響

電力供給に必要な天然ガスや石油は、ドル建てて取引されています。ここで多くの人が気付くポイントが、現在日本円は歴史上類をみないほど値下がりしているという点です。

為替を考慮した取引価格は、2020年には100万BTUあたり629円だった価格が、2024年4月時点で100万BTUあたり2,033円まで高騰しています。

しかし、2022年には3,000円台を突破したこともあるため、その頃に比べると落ち着いた印象です。しかし、最近も上がったり下がったりを繰り返しているため、まだまだ油断はできません。

石炭価格が上昇している

円安の影響を受けているのは天然ガスだけではありませねん。石炭価格も2020年には1kgあたり約6円だったところ、2023年には1kgあたり約22円まで高騰しています。

石炭価格はさまざまな情勢や為替の影響を大きく受けやすいので、価格が大きく上下しやすいです。そのため、今後も上昇したり下降したりを繰り返すと思われます。

原子力発電の停止、火力発電の減少による国内供給の減少

日本国内の電気代が高騰している大きな要因として、東日本大震災を境に原子力発電所が稼働停止となったことが挙げられます。

この事態によって国内の電子力発電所で供給できる電力が大幅に減り、2010年には国内電力量の25%を占めていましたが、現在は約5%まで減少しています。

再生可能エネルギーによって国内発電の割合を上げてはいるものの、その数値は全体の3割にも満たしていません。

各ご家庭で電力消費量の増加

電気代が高くなる理由が家庭にも隠れています。新型コロナウイルス感染拡大したことを受けて、全国的にテレワークが普及しました。それにより、在宅時間が長くなり、ご家庭で消費電力量が増えたことも要因だと考えられます。

また、最近では娯楽家電なども多く増えているため、昔に比べると電気の消費量が各ご家庭で上がりやすい傾向にあるようです。

ただし、使い方が以前と変わっていないのに電気代が驚くほど高くなっている…と感じているご家庭が多いでしょう。これはやはり、世界情勢や為替の影響、電子力発電所の停止などが大きく影響していると考えられます。

電気代を安く抑えるために積極的に取り入れるべき対策

今後、さらに値上がりすると考えられる電気代を少しでも抑えるために、以下の対策を実践してみましょう。

  • ご家庭の生活スタイルに合わせた契約プランの見直し
  • 使っていない家電をつけっぱなしにしない
  • 待機電力を消費しないためにプラグをコンセントから抜く
  • 旧型家電を最新型の省エネ家電に買い替える
  • 家電を効率的に使う工夫を凝らす
  • 冷蔵庫の冷蔵室に容量以上の食材を詰め込まない
  • 冷蔵庫の周りに電化製品を置かない

まずは値上がり前にご家庭の生活スタイルに合わせた契約プランの見直しをご検討ください。契約プランによって、日中の電気代を高く、在宅している深夜帯の電気代を安くするプランなどもあるので、有効活用しましょう。

また、基本的な節電対策はもちろん、中でも24時間稼働している冷蔵庫に節電意識を置きましょう。冷蔵庫は家電の電気代ランキングでも第3位に入るため、冷蔵庫の使い方を工夫することで節電効果を出しやすいです。

電気代の値上がりに対応するには家庭での工夫が重要

いかがでしたか。現在私たちを苦しめている電気代の高騰は、基本的に経済情勢や為替の影響、さらに電子力発電所の停止などが大きく影響しています。1人1人には対策できない域なので、ぜひご家庭で節電対策を工夫してみてください。

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