使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森・むつ市) 期間「50年」明記 青森県、安全協定案示す

高橋泰成RFS社長(右奥)から説明を受ける県議ら=27日、県庁

 7~9月の事業開始を予定する使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)を巡り、県は27日、県議会説明会を県庁で開き、操業の前提となる安全協定案を示した。貯蔵建屋の使用期間、核燃料を入れる容器(キャスク)の貯蔵期間をいずれも50年間と明記。説明に立った国担当者は核燃料について「一定期間の後には必ず搬出される」と強調した。

 安全協定は県、市、中間貯蔵事業を担うリサイクル燃料貯蔵(RFS)の3者で結ぶ。出資元の東京電力ホールディングス、日本原子力発電が立会人となる。

 県は協定案で、キャスクの貯蔵期間は建屋に搬入した日から50年間と記した。ただし、貯蔵が50年に満たないキャスクであっても、建屋の使用期限(50年間)を迎えた時点で貯蔵期間は終了すると明示。核燃料は「貯蔵の終了までに(施設から)搬出する」とした。

 保管後の搬出先について、資源エネルギー庁は従来通り「搬出時に稼働している再処理施設」と説明。東電は「50年より前の段階から再処理工場に順次搬出を進め、50年までに全ての搬出を完了する」とした。

 RFSは貯蔵量についてこれまで同様、建設済みの1棟目に3千トン、建設予定の2棟目に2千トンの計5千トンと説明。協定案には施設の増設や変更、廃止には事前に県、市の了解を得なければならないと規定した。

 核燃料輸送計画の事前連絡、異常時の連絡、立ち入り調査、最新知見の反映なども協定案に盛り込んだ。県民説明会は7月2日の青森市を皮切りに、同5日まで県内6市で実施。6月17日には原子力政策懇話会と全市町村長会議で意見交換する。

 県議会は12日に特別委員会を開いて質疑する。説明会で宮下宗一郎知事は「最終的にはむつ市長の意向も確認し、安全協定の締結について安全確保を最優先に総合判断する」と述べた。

 RFSは締結後に核燃料を入れたキャスク1基を東電柏崎刈羽原発(新潟県)から搬入し、最終検査する。

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