青森県の教員応募、過去最少998人 公立学校2025年度採用

 2025年度(24年度実施)の青森県公立学校教員採用試験の応募者は全体で998人(前年度比79人減)で、記録のある1991年度採用試験以降、初めて千人を切り、過去最少となったことが27日、県教育委員会のまとめで分かった。採用見込み数を前年度より5人増やしており、応募倍率は3.3倍(同0.3ポイント減)と過去10年で最低だった。小学校は応募倍率が1.4倍(同0.2ポイント増)とやや持ち直した。一方、中学校の3.5倍、高校の8.1倍は過去10年で最低だった。

 校種別の応募者は小学校188人(同27人増)、中学校314人(同40人減)、高校283人(同55人減)、特別支援学校101人(同16人減)。退職者の増加などに伴い、近年採用を拡大しているが、応募者の減少傾向が止まらない状況だ。

 応募倍率は中学校3.5倍(同0.4ポイント減)、高校8.1倍(同5.4ポイント減)、特別支援学校2.9倍(前年度と同率)、養護教諭9.8倍(前年度比0.9ポイント増)。栄養教諭は採用見込みが若干名のため倍率は公表せず、全体の倍率算出からも除いた。特別選考はスポーツ7人、障害者3人が応募した。社会人はゼロだった。

 小中学校の教員不足は全国的な課題で、県教委は近年、特に小学校教諭の応募者確保に本腰を入れている。幼稚園や中学校の教員免許状を持つ人にも小学校教諭採用試験応募の門戸を広げ、採用内定後は▽小学校教諭2種免許状の取得に要する期間として最長3年、採用を延期できる▽採用延期中は希望者に臨時免許状を授与し、臨時講師として任用できる-などの制度を本年度から始める。幼稚園教諭特別選考には12人が応募した。

 今回、小学校のみ応募者・応募倍率とも増加したことに、県教委教職員課の担当者は「一定の効果は見受けられる」と手応えを感じつつも、全体の応募者が減少傾向であることに「教職の人気や魅力が社会的に低減している影響なのか今回も厳しい数字。教員の仕事の魅力を発信し、多くの人に受験してもらえるよう取り組む」と述べた。

 1次試験は前年度より約10日早い7月13日に青森市と東京都で実施する。

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