「台風1号」発達しながら北東へ…気象庁の進路予想は? 最大瞬間風速「55メートル」予想 西日本・東日本は29日にかけ「大雨」 宮崎県・鹿児島県に線状降水帯予測情報 24時間雨量、近畿250ミリ・関東甲信180ミリ予想も

強い台風1号は、フィリピンの東を1時間におよそ15キロの速さで北東へ進んでいます。

気象庁によりますと強い台風1号は、28日0時にはフィリピンの東の北緯17度10分、東経124度25分にあって、1時間におよそ15キロの速さで北東へ進んでいます。
中心の気圧は985ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで中心から半径35キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっています。また、中心から半径110キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。

台風の中心は、12時間後の28日12時にはフィリピンの東の北緯19度20分、東経126度30分を中心とする半径65キロの円内に達する見込みです。
中心の気圧は980ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルが予想されます。予報円の中心から半径120キロ以内では風速25メートル以上の暴風域に入るおそれがあります。

24時間後の29日0時には沖縄の南の北緯22度00分、東経129度20分を中心とする半径95キロの円内に達する見込みです。
中心の気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は55メートルが予想されます。予報円の中心から半径185キロ以内では風速25メートル以上の暴風域に入るおそれがあります。

なお、台風の中心が予報円に入る確率は70%です。

こうしたなか、九州南部・奄美地方では28日日中にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。西日本や南西諸島は28日にかけて、東日本や東北地方では29日にかけて、雷を伴った非常に激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。

華中にある前線上の低気圧が、28日は発達しながら西日本から東日本太平洋側を進み、29日には日本の東に達する見込みです。
低気圧や前線に向かって、日本の東の高気圧の縁をまわる暖かく湿った空気や台風第1号を起源とする暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が非常に不安定となる見込みです。

西日本や南西諸島は28日にかけて、東日本や東北地方では29日にかけて、雷を伴った非常に激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう。特に、九州南部では28日は、雷を伴って局地的に猛烈な雨が降る見込みです。

【雨の予想】
28日18時までの24時間に予想される雨量は、多い所で、
九州南部 300ミリ
近畿地方、四国地方、奄美地方 250ミリ
九州北部地方、東海地方 200ミリ
関東甲信地方 180ミリ
沖縄地方 150ミリ

29日18時までの24時間に予想される雨量は、多い所で、
東海地方 100から200ミリ
関東甲信地方、東北地方 100から150ミリ
沖縄地方 50から100ミリ

線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間は、宮崎県・鹿児島(奄美地方を除く)で27日夜から28日日中にかけて。奄美地方で27日夜から28日日中にかけてです。

続いて、石川気象予報士の解説です。

石川博康 気象予報士
「今後、台風1号は発達しながら北東に進み、29日には強い勢力で沖縄の南大東島付近に進む見込みです。南大東島周辺では荒れた天気になるおそれがありますので、十分に注意してください。

また台風が近づく前から西日本や東日本の太平洋側を中心に大雨に警戒が必要です。

28日の夜にかけて、前線を伴った低気圧が日本付近を通過する見込みです。

台風からの暖かく湿った空気が前線に向かって流れ込むため、前線の活動が活発になる可能性があります。

警報級の大雨のおそれが高まっているエリアもありますので、最新の情報をチェックするようにしてください。

また気象庁は27日午前11時頃、27日の夜から28日の日中にかけて、奄美地方を除いた鹿児島県と宮崎県で線状降水帯が発生する可能性が高まっていると発表しました。

線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけについて、気象庁は対象地域をこれまでの地方単位から、府県単位に絞り込んだ運用を28日から開始する予定でしたが、前線に伴う大雨が予想されていることから、運用開始日時を27日11時頃に前倒ししました」

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