イーロン・マスクのxAI、60億ドル資金調達で評価額が240億ドルに

Image:xAI

イーロン・マスク氏が設立したAIスタートアップ企業xAIは先日、シリーズBの資金調達ラウンドによって、60億ドルを調達した。同社はウェブサイトで、この資金はxAIの最初の製品を市場に投入するとともに、高度なインフラの構築と研究の加速のために使われると述べた。

この際新ラウンドの投資家リストには、Andreessen Horowitz、Sequoia Capital、Fidelity Management & Research、Valor Equity Partners、Vy Capital、サウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール王子のKingdom Holding Companyが含まれている。

Financial Timesは1月下旬に、xAIが新たな資金調達を計画しており、最大60億ドルを集めようとしていると報じた。xAIは、昨年暮れには株式の売却によって最大10億ドルの資金調達を米証券取引委員会(SEC)に申請しており、その後にBloombergは、xAIが10億ドルの調達を目標として投資家から5億ドルを得たと報じている。しかしBloombergの報道に対してマスク氏は「正確でない」と否定するコメントを出していた。またFinancial Timesの報道にも「xAIは資金調達を予定していない」とXに投稿していた。

xAIに限らず主要なAI企業は、いずれも事業に莫大な資金を投じている。AI開発を支えるハードウェアはNVIDIAのGPUが多く使われており、次世代のBlackwell DGX B200シリーズは1枚あたり3万~4万ドルが必要になる。

また、ニュースサイトのThe Informationは、xAIは同社のAIモデルである「Grok」のアップグレード版を動作させるためには、現行のDGX H100シリーズなら10万個が必要になるとの予測を示した。マスク氏が2025年秋までに新たなデータセンターを立ち上げる、という予定を投資家に伝えているとも報じられていた。

マスクは昨年7月、xAiの設立を発表した。同社は11月に人工知能チャットボット「Grok」をリリースした。

今回の60億ドルの調達により、xAIの評価額は180億ドルから240億ドルにまで達したと伝えられている。この額はマスク氏がライバルと想定しているであろうOpenAIに比べると数分の一の規模だが、マスク氏はxAIが資金調達を祝う投稿に付け加える格好で「今後数週間以内に、さらに発表を行う予定だ」と述べた。

© 株式会社 音元出版