「光る君へ」越前編で注目…福井県越前市が東京都・白金台でイベント 「紅しきぶ」料理販売、おろしそば振る舞いも

紅しきぶと白山ポークの肉そばなどのプレート料理
紙漉き体験で好きなパーツを付けて作る和紙

 福井県越前市は、紫式部が主人公の大河ドラマ「光る君へ」で5月26日に始まった越前編に合わせ、同市への注目を県外からの観光誘客に生かそうと力を入れている。北陸新幹線でつながった東京で、伝統工芸や食文化の体験イベントを開く。

 体験イベント「紫式部が暮らした越前市」は5月29日から6月9日まで、東京・白金台のショールーム「MuSuBu」で開かれる。施設を運営するのは、日本庭園や結婚式場を有する八芳園のグループ会社で、市観光協会を通じて連携を持ちかけた。事業費は275万円。白金台を生活圏内とする富裕層をターゲットに市の魅力を発信する。

 カフェでは、同市のブランドトマト「紅しきぶ」とブランド豚「白山ポーク」を使った肉そば、無農薬無化学肥料栽培の「コウノトリ呼び戻す農法米」を取り入れたジュレなどのプレート料理を販売。平安時代の菓子「餅談」をアレンジしたスイーツも用意する。6月1日には越前おろしそばを無料で振る舞う。

 伝統工芸体験は会期中の週末に開催。越前和紙の紙漉(す)きや墨流し技法を使ったうちわ作り、タガネで名前を刻む越前打刃物の技術「銘切り」によるネームプレート作製などを産地の職人が手ほどきする。

⇒【写真】紙漉き体験で好きなパーツを付けて作る和紙

 式部が都から移り住む越前編では、越前国府や越前和紙の登場が控えており、「市の認知度を高める絶好のチャンス」と協会担当者。「ものづくり文化や有機農産物は、ラグジュアリー層と呼ばれる家族連れに響くはず。新幹線を使った夏休みの旅行先に選んでもらえるよう発信したい」と意気込んでいる。

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