重視されたのはアニマルウェルフェア 欧州への輸出牛肉を扱う処理施設として東北初の認定で「いわて牛」の出荷開始 岩手・紫波町

欧州連合=EUなどヨーロッパへの牛肉の輸出が可能となった岩手県紫波町の食肉加工施設で28日、「いわて牛」の初出荷が行われました。

ヨーロッパへのいわて牛の出荷を行うのは、紫波町の「いわちく」です。28日は初出荷を記念したセレモニーが行われ、テープカットでヨーロッパ向けの輸出開始を祝いました。

いわちくはこれまでアメリカやシンガポールなど12の国と地域への輸出認証を取得していて昨年度の輸出用の生産量は351トンに上っています。先月、新たにEUやイギリスなど31か国へ輸出する牛肉を扱う処理施設として東北で初めて認定を受けました。

(記者リポート)
「ヨーロッパ向けの輸出認証の取得に当たって重視されたのはアニマルウェルフェアです」

アニマルウェルフェアとは、人間が動物に対して与える痛みやストレスを最小限に抑えようという考え方です。

紫波町の畠山畜産では、ヨーロッパへの輸出用の牛を誘導する際に一般的な鼻環(はなかん)ではなく、頭にロープを絡める頭絡(とうらく)を使っています。

28日はヨーロッパへの輸出第1弾として、畠山畜産が育てた5等級の黒毛和種からとれたロースと肩ロース43キロがイギリスに向けて出荷されました。

(いわちく 藤村 明智 社長)
「生産者が飼料高騰で非常に困っています。ですから新たにEUに販路を設けられたのは私どもとしては非常にうれしく思っています」

いわちくは2024年度、3トンのいわて牛をヨーロッパに出荷する計画です。

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