【タイ】消費者のBEVへの関心低下、HVと拮抗[車両]

大手会計事務所デロイトは28日、26カ国の消費者を対象とした自動車に関する意識調査を発表した。タイではバッテリー式電気自動車(BEV)への関心が前年から低下する一方、ハイブリッド車(HV)への関心が急伸した。

デロイトが発表した「グローバル・オートモーティブ・コンシューマー・スタディー」によると、タイで「次に買う車」としてBEVと回答した人の割合は20%と、前回調査の31%から大きく低下した。一方、HVと回答した人は19%と、前回の10%から大きく上昇している。内燃機関車(ICE車)は32%と最も関心が高かった。

BEVを選択する理由としては、73%が「燃料コストを抑えるため」、71%が「環境負荷を考慮する」と回答。「自分や家族の健康を優先する」という回答は49%だった。

HVを選ぶ理由としては、73%が「燃料コストを抑えるため」と回答し、68%が「航続距離の心配を減らす」、37%が「温室効果ガスの排出を減らす」と回答した。ICE車を選んだ消費者のうち78%は「航続距離や充電に関する心配を減らしたい」と回答。67%は「バッテリーやシステムに関連する予期せぬコストを避けたい」としている。

BEVへの関心は低くなっている一方で、各種機能に対する懸念は低くなる傾向が強まっている。「充電所の数が少ない」と考える消費者は、前回の48%から46%に低下。航続距離について懸念を示したのは39%で、こちらも前回の44%から減っている。受け入れられる充電時間については38%が「21~40分」と回答し、前回の25%から増えている。

■価格と性能に対する関心が急増

自動車の購入を決定する際に重要な要素として、53%が「機能」と「品質」を挙げた。「機能」は前回の49%から上昇した一方、「品質」は64%から低下している。

今回、大きな変化があったのは、「性能」と「価格」に対する考え方で、「性能」は前回の26%から51%に、「価格」は18%から47%へと急伸している。

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