超簡単!水面爆発で大興奮!昼間に狙うナマズのルアー釣りが面白い!

水面を割る迫力はブラックバス以上。その上何度もバイトを繰り返す生粋のファイター。だけど瞳はつぶらで憎めない。そんなナマズが釣れるフィールドは、どこにでもある小水路。日本一手軽で、高確率で釣れるナマズゲームのベストシーズンは、まさに今!

●文:ルアマガプラス編集部

谷中洋一(やなか・よういち)/株式会社スミス開発。鯰ゲームのメソッドと概念を一から構築した、鯰業界のパイオニアにしてレジェンド。鯰シーンで圧倒的な支持を得ている「鯰人」の総合プロデューサー。ルアーを通して鯰の生態に迫り、鯰の生活環境を観察して組み立てたメソッドは説得力の塊。

ナマズのベストシーズンは?

冬の間、本流や沼の底で身を潜めていたナマズたちは、春の産卵シーズンになると、上流を目指して、支流から支流へと遡上を開始する。

ナマズの遡上開始のトリガーは水位変動。ナマズの一級ポイントである、田園地帯を流れる小水路の水位変動は、小水路周辺の田植えの時期に連動している。

谷中「水田に水をはって、田植えを開始する時期になると、周辺の小水路の水位も上がります」

この水位変動がナマズゲームのシーズンインの合図となる。

谷中「地域によって異なりますが、概ね桜の開花時期と重なることが多いです」

キャタピーのノンラトルタイプでキャッチ。テールフックにはパールホワイトのシリコンフラットラバーを装着。奥に流れ込みがあるヘビーカバーの際でヒット。

どこを狙えばいいの?

谷中「誰が見ても分かりやすい一級ポイントは流れ込みです」。

谷中さんのオススメは流れ込みを起点とした攻略方法。

❶流れ込みを狙う
流れ込みで反応がない場合は、
❷流れ込みに来たナマズが、次に
どこへ向かうかを考える

谷中「自分の経験上、確率が高いのは、流れ込みに近いカバー。もしくは、流れ込みの近くにコンクリートの壁がある場合は、その壁にピッタリとくっついていることも多いです。あとは流れ込み近くのシェードですね」

2本の支流が合流するベストポイントでヒット。「ここではもっといいサイズが出る予定でした(笑)」。ロングキャストでキャッチしたカワイイ1尾。

キャスト精度はどこまで必要?

有望ポイントに対して、ルアーを送り込むキャスト精度に不安がある場合は、どうしたらいいのか?
谷中「シェードとコンクリート壁を狙う場合は、ピンで打ち込まなくても、狙ったポイントの少し先に着水させて、ポイントを通過させればOKです。 一方カバー攻略の理想はピンの打ち込みですが、難易度が高い場合は、オーバー気味にキャストして、近くの枝に引っかけて、吊り下げ状態でシェードを狙う方法も有効です。 ピンで打ち込む自信が無い場合は、ショートになるよりも、オーバー気味にキャストした方が釣れる確率は高いです。ただしこの場合、使用ラインのセレクトが重要になります」

川幅1メートルに満たない小水路の『集水桝』でキャッチしたグッドサイズ。写真の枡の中から引き当てた1尾。「本当にこういう場所にいるのがナマズです(笑)」

オススメのラインセレクトは?

ナマズシーズンが始まった直後の早春はナイロンライン。季節が進行して植物が生長し、カバー絡みのゲームが増えたらPEライン。というのが谷中さんのオススメ。

谷中「自分はできる限りナイロンの方がいいという考え方です。ナイロンの方がバレにくいですし、トラブルが少ない上に安全です。ですが、カバーが成長してカバーに乗せて落とす釣り方が増える季節になると、ナイロンではPEラインを選択します」

谷中「カバーに干渉されないで釣りが成立する限りは、ナイロンの方がいいですが、現実のフィールドでは、そうしたケースは少ないです。カバーとともに釣りをすることが多いので、結果的にPEラインの
使用率が高くなります」

代掻きの濁りが混じった、対岸の流れ込でキャッチ。「ほかの釣りでは考えられませんが、ナマズの場合は代掻きの濁りは最高の条件です。見つけたら必ず狙ってください」

ルアーセレクトの基準は?

汎用性が高くて、カバー回避能力も高い。アピールは強すぎず弱すぎない。最初の1個に最適なのはカップ系だという。
「カップ系が無難です。オールマイティに使えて最強です。最初にカップ系をそろえて、実釣経験を
積んで、次のステップとして、違うタイプのルアーの必要性を感じたら、別タイプのルアーもそろえる。という考え方でいいと思います」

川幅約70センチ?水深約20センチ。水田の横を流れる小水路をたどって、最上流まで到達した先でキャッチした1尾。こうした小水路探検もナマズゲームの楽しみ。

ラトル?ノンラトル?は非常に重要

カップ系でもラトルとノンラトルタイプの使い分けは重要だという。

谷中「この違いは、釣果にダイレクトに影響を及ぼす重大案件です。まずは、ラトルが嫌われてしまうことが多い、もしくはラトルは避けた方が無難なシチュエーションを以下に明記します」

●春先の低水温期。もしくは急激に水温が低下したとき。
●見えるナマズを狙うとき。

「一方、ラトルがあった方が効果的なことが多いシチュエーションは以下の通りです」

●代掻きなどで強い濁りの中を狙とき。
●明らかにナマズの食い気が立っているとき。

谷中「ルアーの存在に気付かせるためには、ラトルは間違いなく効果的です。ですがその分、嫌われる要素にもなります。使い分けが不安なときには、最初にノンラトルタイプから試して、食い方がいいと
きや、バイトに勢いがあると分かってから、ラトルに切り替える方法がオススメです。ナマズゲームは今がハイシーズン。デビューには絶好のチャンスです」

ヘビーカバーの中から引き抜いた1尾「まだまだ釣れますが、キリがないので今日はこれくらいにしておきましょうか(笑)。むしろ夕マヅメになると、ノンストップで釣れ続くことも珍しくありません」

タックルデータ

[手前・ナイロンタックル] ●ロッド:鯰人DNAZ-69M(スミス)●リール:カルカッタコンクエスト200HG(シマノ)●ライン:バーマックス磯フロートタイプ8号(バリバス)[奥・PEタックル] ●ロッド:鯰人DNAZ-69M(スミス)● リール:タトゥーラHDカスタム153H-TW(DAIWA) ● ライン:アバニキャスティングPESMP 4号(バリバス)●リーダー:ショックリーダーナイロン40ポンド(バリバス)

バスタックル流用の目安は?

谷中「オススメは6フィート6インチ~ 7フィートくらい。足場が高い場所や、ブッシュが多い場所では長めがオススメです。パワーはミディアムクラスが使いやすいです。オススメは巻物系ロッドです。トーナメント仕様のカリカリのロッドはナマズには不向きです」。

キャタピーII(スミス)&キャタピークリッカーII(スミス)登場!

キャタピークリッカー(右)とキャタピークリッカーII(左)

ナマズの名作ルアー『キャタピー』が新たにバージョンアップ。ケミホタルの装着穴がヘッドにも追加された。今まで通りアイを貫通させる横方向の装着も可能なので、縦、横、自由に装着方法を選べるようになった。

ラトルとノンラトルの見分け方は今までのキャタピーと同じ。ラトルインタイプのカップはメッキ仕上げのゴールドとシルバー。ノンラトルはメッキなしのシルバーカップ。


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