【ガーデニング】キュートでポップな「アリウム」の仲間たち17選

大きなボール状の花序が目を引くアリウム・ギガンチウムをはじめ、近年さまざまなタイプが出回って人気を集めているアリウムの仲間。個性的なフォルムが庭やベランダのアクセントになります。まだあまり知られていない花々をいち早く楽しんでみませんか。

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ネギやニラやニンニクもアリウムの仲間

アリウムはヒガンバナ科ネギ属の球根植物。小花がボール状に集まる花(花序)はネギ坊主のことです。なかでもちょうど今ごろ、直径15㎝以上のボール状の花を咲かせるアリウム・ギガンチウムは大迫力! 近年は公共の庭などでも時折、目を引く存在になっています。

ほかにも4月に花をつける長ネギから9月に咲くニラまで、世界には約700種の仲間があります。花を楽しむ園芸植物として出回る多くは寒さに強い秋植え球根植物ですが、近年は春~初夏に芽出しのポット苗で販売されるものもあり、苗から育ててすぐ花が楽しめます。

また、同じ時期にポット苗で流通する夏~秋に長く咲く多年草扱いの園芸品種も登場。花序は小さく株もコンパクトですが、球根とはまた違う手軽さで人気が出ています。それらをふくめて注目のアリウムを紹介しましょう。魅力的な花がいっぱいです!

アリウムの仲間ネギとチャイブ
アリウム・ギガンチウム

ボール状の花も多彩なバリエーション4選

浮遊感が楽しい巨大なボール【ギガンチウム】

Allium giganteum
開花期:5~6月
草丈:90~120㎝

小花を集めて直径15㎝もの大きな花になり、ふわりと浮かぶような様子が視線を引きつけます。暖地では開花期に株元の葉が枯れるので、花壇の奥に植えるかほかの草花を周囲に植えるのがおすすめ。

コンパクトすぎる草姿が目を引く【カラタビエンセ】

Allium karataviense
開花期:5~6月
草丈:20~30㎝

大きな葉の真ん中から真ん丸な花序をのぞかせる個性的な姿。花にはかすかな芳香があります。青みがかった葉も美しい。草丈は低いのですが、数株を密植するととても目立ちます。

神秘的なブルーをたたえる花【カエルレウム】

Allium caeruleum
開花期:5~6月
草丈:60~80㎝

花序は約5㎝と小ぶりですが、アリウムのなかで最も青い花が冴え冴えと咲きます。害虫を寄せつけないネギ臭で、バラのコンパニオンプランツにも重宝。植えっぱなしでOKです。

宇宙を思わせる大きな花序【クリストフィー】

Allium cristophii
開花期:5~6月
草丈:約30㎝

輝く星のような花が70も集まって20㎝ほどの花序となる、巨大なアリウムのひとつ。花もちがよくて数週間も咲き続け、ドライフラワーにも適します。バラとの相性もバツグンです。

ユニークなフォルムや愛らしい花も11選

花火みたいな華やかさ【シューベルティ】

Allium schubertii
開花期:6~7月
草丈:約40㎝

線香花火を思わせるユニークな形で、ドライガーデンなどでも人気の高いアリウム。花が終わってもそのままの形が長く残ります。アリウムのなかでは夏越ししやすいものです。

鮮やかな花色で手間いらず【モーリー】

Allium moly
開花期:6~7月
草丈:20~40㎝

アリウムのなかでは珍しい黄色の星形の花がいくつも茎頂につきます。南ヨーロッパから北アフリカの原産でとても丈夫。日当たりで水はけのよい場所なら植えっぱなしでよく育ちます。

小さな花序でかわいらしい【丹頂】

Allium sphaerocephalon
開花期:5~6月
草丈:60~70㎝

学名が難しすぎるからか(汗)、これだけは和名で呼ばれる原種です。北アフリカからイランという乾燥地帯に自生。小花の集まった花序は小さめですが、赤紫色の花が目立ちます。

初夏に爽やかな色合い【ニグラム】

Allium nigrum
開花期:6~7月
草丈:60~100㎝

白い花弁と緑色の花芯が引き立てあい、ワイルドフラワーのようなナチュラルな雰囲気です。水はけのよい場所に植えられれば、植えっぱなしで毎年花が楽しめます。

エレガントな花色が魅力【‘ピンクジュエル’】

Allium ‘pink Jewel’
開花期:5~6月
草丈:約80㎝

ニグラムから育成された園芸品種で、パウダーピンクの花色が上品で魅力的です。蕾のときから美しく、ほかの草花ともよく合います。流通量はとても少ないのが残念です。

切り花で人気の早咲きアリウム【ネアポリタナム(コワニー)】

Allium neapolitanum Allium cowanii
開花期:4月下旬~6月
草丈:30~40㎝

茎の先端に20輪ほどの小花をつけます。茎葉にはいわゆるネギ臭がありますが、花は芳香をもち、切り花でも人気です。地中海沿岸地域原産でアリウムのなかでは早くから咲き出します。

群植すると引き立つ【‘カメレオン’】

Allium trifoliatum’cameleon‘
開花期:4~5月
草丈:15~20㎝

ピンク色の蕾がかわいらしく白い花へと変化するさまが楽しめます。小球根のアリウムなのでポット苗で出回り、コンパクトながら群植すると引き立ちます。植えっぱなしOK。

ピンク色の小花が愛らしい【ユニフォリウム】

Allium unifolium
開花期:5~6月
草丈:約40㎝

すくっと伸びた茎に愛らしいピンクの花を20輪ほども咲かせます。切り花でも人気のある小球根の多年草。花壇でも鉢植えでも育てやすく、植えたままで毎年花が楽しめます。

まったく新しい夏咲き種の登場【‘ミレニアム’】

Allium’millenium‘
開花期:7~8月
草丈:20~30㎝

従来のアリウムと異なり暑さに強く、真夏に開花します。花序も株もコンパクトながら、つぎつぎに花が咲きあがるのが特徴。新しいタイプとして注目され、ポット苗で流通します。

清楚な花を群れ咲かせたい【トリケトラム】

Allium triquetrum
開花期:3~4月
草丈:15~50㎝

白い花弁に緑色の筋が入る花をいくつも下向きに咲かせます。西ヨーロッパ南部や西アフリカ北部原産で、日本でも野生化するほど繁殖力旺盛です。こぼれダネでもよくふえます。

不思議な花色花形で魅了する【シクラム】

Allium siculum
開花期:5~6月
草丈:60~120㎝

茎頂からシャンデリアのように下向きに咲き、光が透けて微妙な花色がのぞきます。庭植えでは1mほどの高さになって視線を引きつけ、切り花にしても長く楽しめます。

おいしいだけじゃもったいない2選

レースのような花も楽しんで【ニラ】

Allium tuberosum
開花期:8~10月
草丈:20~30㎝

葉を食用にするニラの畑にも、夏の終わりになると白いレースのような花が一面に咲き誇ります。冬は茎葉が枯れて休眠しますが、春になると芽吹いてまた葉を収穫できます。

ハーブでおなじみのあの花も【チャイブ(セイヨウアサツキ)】

Allium schoenoprasum
開花期:6~7月
草丈:20~30㎝

細長い葉は中空でやさしいネギ臭があり、卵やジャガイモ料理に使われます。ピンクの花もサラダなどに利用されるハーブ。乾燥に弱いため、春先には庭植えでも水やりしましょう。

苗が入手できなかったら球根を秋に植えよう

夏咲きの‘ミレニアム’など、球根が小さいタイプや野菜やハーブのアリウムはポット苗で流通しますが、多くのアリウムは球根で出回るのが基本です。この時期にポット苗で入手できなかったら、秋に球根をゲットして植えつけましょう。

また、ギガンチウムなどの大型の球根タイプは高温多湿に弱いため、暖地では地植えのまま夏越しするのは難しいです。茎葉が枯れたら球根を掘り上げて保存。秋にまた植えつけてください。鉢植え栽培ではそのまま水を切り、秋に水やりを再開させてもよいでしょう。

まだまだ新鮮な魅力あふれるアリウムの多彩な仲間を、今年はお迎えしてみませんか。


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