巨人”1点差の無死一・三塁で送りバント”采配に解説陣が激論…高木氏「何がしたかったのかちょっと分からない」

◆ 「最初自分は、初球はサインミスかなと思った」

巨人は28日、本拠地でのソフトバンク戦に0-2で敗戦。先発の山﨑伊織が6回1失点の力投も、味方打線が散発3安打に封じられてしまい、交流戦を黒星発進する事となった。

打線がほぼ沈黙した巨人だが、1点ビハインドの6回には絶好の得点機をフイにする場面もあった。ここまでほぼ完ぺきに抑えられていた有原航平から代打で登場した立岡宗一郎が四球で出塁すると、さらに盗塁と内野安打で無死一・三塁の大チャンスを創出する。

ここで打席に立ったのはこの日無安打のオコエ瑠偉。1点取れば同点の場面だったが、ここでベンチはオコエにバント指示を与える。オコエは一塁走者を進める犠打を決めて一死二・三塁の状況を作ったものの、後続も結局凡退して無得点に終わってしまった。

その後は得点圏に走者を進められないまま今季8度目の完封負けを喫した巨人だが、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で番組MCを務めた高木豊氏は「なんかね……何がしたかったのかちょっと分からないシーンがあって……」と絶好機でのバント指示を話題にした。

1点取れば追いつける状況で無死の走者を三塁に置いた状況からバントを指示したという事態に、出演した館山昌平氏も「最初自分は、初球はサインミスかなと思ったんですよ」とコメント。

続けて元投手の立場から「これはピッチャーであれば間違いなくセーフティスクイズになると思うんですよね」と分析すると、「有原投手からするとかなり楽だと思うんですよ。バントのする方向さえ決めて、しっかりプレッシャーをかけていけば1つアウトを取れる事は確実。そしてもしかすると三塁走者も止められるかもしれないという……」と語り、守備陣への揺さぶりがほぼ無かったと解説した。

館山氏は続けて「オコエ選手の後にはクリーンナップが続くとは言え、無死一・三塁なので1点を取って一死二塁(の状況)は取りたい。これはすごく分かります」と阿部監督の狙い自体には理解を示したが、「でもオコエ選手を先発で起用して、4打席目には門脇選手に変えていたんですよ。だったらあの場面は他に誰かいたんじゃないかなと……。内野も中間守備よりはやや後ろで構えていたので……」と総評し、守備陣からしても攻撃陣からしても効果的ではなかったと振り返った。

セオリーを無視したような采配を絶好機で振るっただけに、解説陣からも疑問が噴出したが、同じく出演した笘篠賢治氏は「理想のシミュレーションとしてですけど」と前置きしたうえで、「これはセーフティスクイズで1点を取ってなおかつ走者も二塁に進めて、一気に逆転を取って逃げ切る。そういうシミュレーションを阿部監督の中では持っていたとしたら、同点ではなく逆転を狙いに行く為の采配じゃなかろうかと僕は思います」と阿部監督が思い描いていたシナリオを想像した。

点差は1点だったものの、ここまで手を焼いていた有原から初めて作った大チャンスだった事や、有原が下がれば12球団随一の安定感を誇るソフトバンクリリーフ陣が登場する事等々を踏まえて一気に片を付けに行った可能性は十分に考えられる。しかし笘篠氏は続けて「やっぱりあのケースでは追い込まれてからでもショートゴロ併殺の間に1点っていう事が出来るので……」と語り、バントだけは避けるべきだったと語った。

堅実に行き過ぎたのか?それとも欲張りすぎたのか?ベンチの思惑は不明だが、少なくとも同点に拘るのであればもっと良い方法があったのも事実かもしれない。

笘篠氏は最後に「もっと大きく、怖いチームを作るのであれば、あそこでいきなりセーフティスクイズよりは打たしに行って欲しかったと思いますね」と同場面を振り返って締めくくった。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』

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