⻲梨和也「体中のすべてをつかってこの作品に浸ってほしい」

WOWOWが、6⽉9⽇(⼟)午後10時より放送・配信スタートとなる連続ドラマW 東野圭吾「ゲームの名は誘拐」の完成披露試写会を2024年5⽉28⽇(⽕)、ユナイテッド・シネマ豊洲スクリーンにて開催した。
本作は2002年に刊⾏された東野圭吾の⼩説『ゲームの名は誘拐』(光⽂社⽂庫刊)が原作で、主⼈公の広告代理店の敏腕プランナー・佐久間駿介が、⼿掛けていた⼤型プロジェクトから突如降板させられたことを機に、⾃分を引きずり下ろした⼤企業の副社⻑に⼀⽮報いるため、その娘と共謀して狂⾔誘拐を企てたことから始まるミステリー。⻑年にわたり世界中のファンを魅了してきた⼈気作だ。
完成披露試試写会の前の舞台挨拶には、主演の⻲梨和也、⾒上愛、渡部篤郎が登壇。さらに、MCは同作品への出演が決定している森⾹澄が務めた。

「キャストのみなさんをお呼びしましょう」とMCの振りから主要キャストである⾒上愛、渡部篤郎が拍⼿に迎えられて登壇。次は主演の登場……と場内の期待が⾼まるも、肝⼼の⻲梨和也が現れない。MCの森が「主演の⻲梨さんの姿が⾒当たらないんですけど、どこにいらっしゃるのでしょうか?」と投げかけると場内が暗転。突如、スクリーンにドラマの予告映像が流れ始める。
「全てはゲームだ。所詮はただの遊びにすぎない」「俺はエリートでい続けるためにこのゲームを仕掛ける――」。
数々の印象的な台詞を刻みつける映像に続き、「すべてはゲームだ、この世界のすべては」と場内にリアル⻲梨ボイスが響き渡る。後⽅からのサプライズ登場に声を驚きの上げる観客も。ゆっくりとステージに向かって進み、登壇すると改めて3名を紹介。「後ろで⼩っ恥ずかしかったです(笑)」と照れくさそうな素顔を覗かせ、WOWOW公式YouTubeチャンネルでの⽣配信⽤にカメラに向かって⼿を振りながら、今まで訪れた国々の⾔葉でにこやかに挨拶を⾏い、「素敵な時間が過ごせるよう、サービス精神フル稼働でトークしていきたいと思いますので、よろしくお願いします」とコメント。

作品の魅⼒、台本を読んだ率直な感想を、という質問に対しては、「映像にするにあたって、これはなかなか⼤変だなと思う部分もあり、今回このチームでどう作っていくのかと思っていました。我々キャストもここでこういう流れが⽣まれますといった説明を現場で受けながらイメージを膨らませ、そこにはないものでお芝居をするということも多々ありました。出来上がりは本当に素晴らしい作品に仕上がっていたので、早くみなさんに観ていただきたいという思いでいっぱいです。本当に東京で撮れるのか!? という部分もあったので、そういったことも踏まえて観ていただいたら、またちょっと⾯⽩さがあるかもしれません」(⻲梨)
「ラストにかけて私もしっかりと騙されました。ミステリーの仕掛けも素晴らしいのですが、そこに⾄る⼈間ドラマもどう描かれるのか、楽しみにしていました」(⾒上)
「20数年前に発表された⼩説で、当時と今とでは⽂化も変わってきているので内容的に少々変わってくる部分もある。それでも、物語が良ければ誰かが引き継いでいく。それが名作というものなんだなと」(渡部)
とそれぞれに作品に対する思いを語ってくれた。

また、お互いの印象に関しても、⻲梨と⾒上は早い段階から意思の疎通ができたのがよかったと語り、⻲梨、渡部は初共演ながら、プライベートでは意外な場所で顔を合わせていたと告⽩。
「渡部さんとはプライベートで何度も、サウナでお会いしたこともあったりして。僕の中でも信頼感があって、キャストでお名前を⾒かけたときに、ああよかったと安⼼しました。いつお会いしても“⻲ちゃん元気〜?”と気さくに声をかけてくださる⽅で、現場でもフランクにいろいろお話ししてくださった。お芝居では佐久間として緊張感を持って集中させてもらったので、ありがたかったです」とうれしそうに語っていた。
⾒上から⾒た⻲梨のイメージは、クールで怖そう、というものだったそうだが、「気さくに話しかけてくれて。探り合うような時間がなかったので、ありがたかった。樹理としては平等なバディというのを望んでいるので、並んでいこうという気持ちでやらせていただきました」とコメント。渡部に対しては、「テレビで拝⾒していた通りの紳⼠であり、こういう⼤⼈になりたいと憧れていた」と話してくれた。
渡部から⾒た⻲梨は「仕事の経験値も、⽣きてきた経験値もある、真⾯⽬な⽅」。「すごく真摯に作品に取り組んでいて、さすがだなと。彼がきちんとした⽣き⽅をしてきたからかなと」と⼤絶賛。
また⾒上に対しては「(⾒上が出演した)『幽☆遊☆⽩書』とかも⼤好きで」と語ってくれた瞬間、⾒上⾃⾝も「あありがとうございます!」と感極まった表情に。「とっても素晴らしい⼥優さんだなと。⼀緒のシーンは少なくて残念でしたが、これからの活躍を楽しみにしています」と締めてくれた。

ミステリー部分ともうひとつ、気になるのが佐久間と樹理の関係性だ。犯⼈と被害者が恋愛に似た感情を抱くこと、いわゆる「ストックホルム症候群」についてどう思うかと聞かれると、「序盤のテーマに⼀番沿った部分でもある」と⻲梨。「恋愛というパートがたくさん描かれているわけではないので、いつ2⼈がそういう思いで繋がっていくのかというのは、2⼈で辿り着かないといけないよねと話していたんです。ひとつのことに対する⽬的意識をしっかり持って過ごすというのは、どこか恋愛と錯覚するのか、本当にそういう感情なのか。弱さを共有し合うと恋愛という感情になっていくのかなと僕は思いましたけど……」と熱を帯びた語りからハッと我に返ったかのように「いかが思いましたか?」「しゃべり過ぎちゃった」と苦笑いしながら、丁寧に⾒上に振る。「そう思います。秘密を共有するというのもひとつあるよねと監督とも話し合ったので」と⾒上と息のあったやりとりを展開してくれた。

続いては番組公式Xで募集した質問に答えてもらうコーナーへ。
「佐久間と⻲梨さんとの共通点は?」という質問でMCが噛んだところも⾒逃さずに突っ込んで笑いに持っていく。「ステージの上がって“⻲梨くん”をやっているときの、360度⾒られている感覚というのを引っ張り出してやっていましたね。何か考えているときも、オフィスにいる⼈の⽬がすべて⾃分に向けられているというぐらいの意識でやっていました」佐久間というプライドが⾼く⾃信家なキャラクターを演じるにあたって、“⼿を使う”ボディランゲージを意識的に取り⼊れたという役作りの裏話も。「そうなんですよ」と⼿を前に出してポーズも披露してくれた。

続いては⾒上への「⻲梨さんのおちゃめな⾏動は?」質問に対して、「意外な⾏動でもいいですか?」と前置きをして「撮影が終わったあとビルを降りたら、⻲梨さんが普通にたこ焼きを買っていて。変装も何もせずにマネージャーさんの分まで買っていたのが意外でした(笑)」と語ると、「あの部屋は何度か使ったことがあって、たこ焼き屋さんがあることも知っていたから。撮影中は節制していたのでご褒美的な感じです」とエピソードに⾁付けをしてくれた。
最後は渡部へ、「俳優・⻲梨和也の魅⼒は?」という気になる質問が投げられる。
「やっぱり真⾯⽬にやっている⼈って素敵じゃないですか。あとはもう僕なんかが⾔えることじゃない。⼤スターですから」と真顔で答えると、「やめてください(笑)」と⻲梨が照れまくっていたのが印象的だった。

⽣配信の終了後、WOWOW公式YouTubeチャンネルから1話が配信されるとアナウンスがあると、「おお!」と盛り上がり、「とにかく我々の台詞、映像から送られる情報に⾝を委ねて。そこから得られる情報をしっかり楽しんでいただけたら、いいラストに繋がるのではないかなと思います。ぜひ楽しんでください!」ここで配信が終了し、会場での最後の質問へ。それは「最近、思わず家に連れて帰りたくなったもの」というクエスチョン。
⻲梨は「買ったものとかでいいでしょうか。 MLBのドジャースの開幕戦、韓国に仕事で⾏ったときに、しっかりグッズを⼿に⼊れました。Tシャツは普通におうちで部屋着として着ています」と話し、そのまま⾒上、渡部も買ったもののエピソードを披露していく。「撮影の合間に寄った道の駅で⾦柑の⽊を買いました。観葉植物⽤のプランターで育てています」という⾒上に、「ほう!」とリアクションし、トーク泥棒になっちゃいますけど、と⻲梨が話し続ける。「ブーゲンビリアを⻑いこと育てていて⼀⽣懸命⽔をあげたりしているんですが、トゲばっかりできて年にひとつ花が咲くか咲かないかといった感じで。今年は⾃然の天気に任せてみようと思って放っておいたら、めちゃくちゃ花が咲いていたんです。⼿をかけすぎるのは良くないんだなって。今年の学びです。すみません、トークを誘拐してしまいました」と結ぶと「うまい!」と⾒上も笑顔に。「座布団はのちほど」と粋な応酬を⾒せてくれた。最後に答えた渡部が「何でも持ってますから(笑)」と⾔うと「カッコイイ」と⻲梨が盛り上がる。
「買うのは⼦どものものばかりです。靴とかすぐにサイズが⼤きくなるので」と語り、「じゃあ僕も養⼦に(笑)。⾜のサイズは変わりませんから、26.5で」とつなげ、会場をほっこりさせてくれた。

そして主演の⻲梨からのメッセージでイベントが終了。
「改めて、今⽇お越しいただき、ありがとうございます。この作品をこの環境でみていただけるのはうれしく思いますので、体中のすべてをつかって浸っていただけたらと思います。貴重なお時間ありがとうございました」⽴ち去るときは⾒上を先に進ませて、客席に会釈をして⼀旦場をあとにした⻲梨。
フォトセッションで再登壇し、出ていくときも⾒上、渡部と道を譲り、⾃らは前と後ろに向かってお辞儀をして⼿を振るという完璧なファンサービスで素敵な余韻を残してくれた。

◆連続ドラマW 東野圭吾「ゲームの名は誘拐」
6⽉9⽇(⽇)午後10:00より、WOWOW・WOWOWオンデマンドにて放送・配信スタート(全4話)

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