「社会課題解決型の万博に」 吉村大阪知事がアピール、本社来訪

【大阪・関西万博への意気込みを語る吉村知事=津市本町の伊勢新聞社本社で】

 吉村洋文大阪府知事は28日、伊勢新聞社本社(津市本町)を訪れ、本紙のインタビューに応じた。来年の大阪・関西万博について「社会課題解決型の万博にしたい」と強調。パビリオンの建設に遅れが出ていることには「開幕までに間に合うよう対応している」と語った。

 吉村知事は万博について「単なる展示会ではなく、国威発揚でもない」とした上で「各国が社会課題の解決に向けて最新の技術を持ち寄り、未来社会について考える万博にしたい」と語った。

 会場では、一般の来場者が「空飛ぶクルマ」に乗れるように準備を進めていると紹介。「iPS心臓」や「令和の人間洗濯機」などに続き、今後も展示の「目玉」が公表される見通しを示した。

 会場のシンボルと位置付けられる「大屋根リング」は「建設段階から圧倒的な存在感と荘厳さがある」と強調。「日本の素晴らしい建築技術が生かされている。ぜひ見てほしい」とアピールした。

 会場の建設工事では、各国が独自に設ける「Aタイプ」のパビリオンに遅れがあることを認めつつ、他は「着実に進んでいる」と説明。「開幕までには間に合うよう対応している」と語った。

 会場となる人工島・夢洲の地盤が軟弱とされる問題には「決して軟弱ではない。近隣の埋め立て地では、約30年前から高さ二五六メートルのビルが問題なく建っている」などと安全性を強調した。

 20日ほど前にもプライベートで鳥羽市内を訪れ、いかだ釣りを楽しんだという。「伊勢志摩は風光明媚(めいび)で素晴らしい海の幸がある。名古屋と大阪を利用して発展してもらいたい」と語った。

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