大学進学は経済的に…不安抱える高校生を支援 さいたま市教委、上限5万3千円の受験料や25万円の入学一時金を支給 夢や志への熱意、作文にして提出

さいたま市役所=埼玉県さいたま市浦和区常盤

 経済的に大学進学の不安を抱える高校生を支援しようと、さいたま市教育委員会は28日、大学進学等「夢」支援事業の申請受け付けを今秋に実施すると発表した。申請者に自身の持つ夢や志への熱意を作文に記して提出してもらい、収入や学力、作文の総合的な審査を経て、30人に受験料や入学一時金を支給する。本年度一般会計予算額は909万円で、半額をガバメントクラウドファンディング(GCF)による寄付で募る。

 奨学金を給付する団体が行ったアンケートによると、経済的な事情により、受験校数を減らした世帯は57%を占め、受験料免除を希望する世帯は63%に上るという。

 申請できるのは日本学生支援機構の給付型奨学金の対象となる世帯で、市内在住の高校3年生。学力や作文などの審査を経て、決定した30人に、上限5万3千円の受験料や25万円の入学一時金を支給する。作文の提出は、給付型奨学金を行っている政令指定都市では初の試みという。申請受け付けは10月1~31日の予定で、来年1月上旬をめどに支給対象者に通知する。

 市教委の竹居秀子教育長は28日の定例会見で、「子どもたちには夢と希望と志を持ってもらい、目の前に課題が山積していたとしても、一つ一つクリアしていけばかなうと伝えたい。事業を活用して、夢をかなえてほしい」と呼びかけた。

 GCFは来月3日から8月31日まで、「ふるさとチョイス」で受け付ける。目標金額は454万5千円。目標を超えた場合は市教育振興基金に組み入れ、来年度以降に活用する。問い合わせは、市教委学事課(電話048.829.1647)へ。

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